かきくけコラム :「イマハ、ドコデスカ?」13


imaha

毎週、てくてくひめじ界隈で得意な分野を持つ方々にコラムを書いていただくコーナー「かきくけコラム」。

「懐かしい未来」をキーワードに、豊かな暮らしや生き方を模索する、いまいみきさんのコラムです。

第13回目「100年後もこの風景を」

暦では「霜降」を迎え、どんどん寒くなってきました。山々の紅葉も進みそうな今日この頃、みなさま風邪などひかずお元気でしょうか。

先日わたしは、お山で稲刈りをしてきました。近年、稲刈りというと機械で刈り進めていくのが一般的ですが、お山での稲刈りは、昔ながらの手作業で進めていきます。大人数だと助かる!ということで、わたしも赤子を背負ってお手伝いをしてきました。

雨ニモマケズ風ニモマケズ

今年は雨や台風が続き、土壌が乾かないなかでの稲刈り作業。当日田んぼには、仲間や「山と畑のまるごとえん」というお山で野外の活動を中心としたようちえんに通うお母ちゃんたちが集まっていました。長靴だと足をとられてしまうので、裸足になって、大地を踏みしめながら、しっかりと根をはり育った稲を一束ずつ刈り束ねていきます。そして、束ねた稲穂は、はざ掛け作業へと流れていきます。

余談ですが、今の稲を刈る機械というのは、刈るだけでなく脱穀まで一気にできるそう(知らなかった・・・)で、機械というのは、なんて便利で効率的にできているのだと、改めて驚いた次第・・・。さて、大人も子どもたちも、みんな一緒に手を動かし、稲刈りという作業をとおしての「結作業」が続きます。

黄金色に輝く稲を、黙々と刈りとっていく姿、時折お山に響く笑い声、どんどんはざ掛けされていく光景の美しさ。手で稲刈りをしていることを聞きつけ、村のおじいさんが稲刈りの様子を見に来て「懐かしいなぁ、懐かしいなぁ」と嬉しそうに眺めておられました。おじいさんの目に映る懐かしい光景が、今こうして蘇っていること。2017年のいまここ、姫路の林田にあるお山のなかで、「懐かしい未来」や、女性のエネルギーの強さとあたたかさを感じるひとときでした。

いまの暮らしを整える

昔は、全て手作業で行われていた手仕事。かつて昔の暮らしから考えると、時間にゆとりが持てるようになったはずなのに、なぜか「忙しい」「忙しい」と生きている現代人。そして忙しさのなかで、削られていく「衣食住」の簡素化・・・大地からの恵みをいただくこと。なかでも、日々の「食」は、自分の身体をつくります。もっとひとりひとりが自分を大切に、日常の「食」を大切に扱っても良いのではないでしょうか。

わたしが田畑で出会う女性たちは、専業主婦だったり、働きながら農の時間を割いていたりと様々ですが、皆共通して、丁寧に生きることを選択しながら生きているように思います。彼女たちは、皆楽しみながら農作業をし、工夫して生きていく術を身につけています。忙しいから出来ない等という言い訳をすることなく、自分のできる範囲で日々土と向き合い、日々の食と向き合い、且つ楽しんで生きている姿は、とってもカッコいい!わたしも、日々の農作業や今回の稲刈りをとおして、大地の恵みや、育ってくれたお米やお野菜を毎日食べながら、命の有難さを改めて感謝する時間を得ています。農と食はつながっているのです。

何事も持続することは大変ですが、「懐かしい未来」という世界は、少しずつでも地道に築くことができるものだと思います。日々の暮らしを見直し、少しずつでも整えていくこと。今できる選択ひとつで、次の世代に、その先の世代へとつながり、100年後も同じ風景を残すことができるかもしれませんね。

わたしは、お山に広がるこの風景が大好きです。

文責:いまいみき
かつらぎ自然のまなび舎
HP:https://katsuragi-manabiya.jimdo.com/
ブログ:http://ameblo.jp/katuragimanabiya/

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公開日 : 2017-11-1
最新更新日 : 2017-10-31