フィトテラピーサロンSoraliさんからご紹介いただきました助産師の松村です。
「NPO法人姫路こころの事業団」の濱中美喜子さんと、濱中さんの活動をご紹介したいと思います。
紹介リレーでは、バトンを渡され紹介された人やお店などが、オススメする人やお店を紹介してバトンを渡し、そしてそのバトンを渡された人やお店が次に…
とリレー形式で人やお店を紹介していきます。
私が濱中さんと出会ったのは、姫路に引っ越してきてすぐ次男がまだお腹にいた4年ほど前でした。
濱中さんの自宅の敷地内にある、日本庭園がきれいに見える離れ「寓庵」でされていた演奏会が出合いのきっかけでした。
そんな濱中さんが「NPO法人姫路こころの事業団」というのをされていて、メンバーさんともたまに寓庵でお会いしたり、別所の畑でお会いしたりしていました。
でも、この濱中さんがされている「こころの事業団」はどういう団体なのかは全く知らなかったのです。
時々耳に入ってくる活動内容をききながら、素敵なことをされているので直感で紹介したいと思ったものの、紹介できるだけの情報がなかったので、お時間を取っていただいて、お話を聞きに行ってきました。
社会で生きづらくなっている人たちの「居場所づくり」
「姫路こころの事業団」のはじまりは、社会で生きづらくなっている人たちの「居場所づくり」だったそうです。
今から13年程前のこと、うつや引きこもりなど精神的な病が社会の中でも表面化されるようになり、その人たちが心を癒し、思いを受けとめてもらえるような「居場所」づくりが求められていました。
同時に濱中さんは、次女真理子さんと母娘の葛藤があり、彼女の伝えたいことをもっと深く理解したいと思われていました。
娘さんと同じ悩みで苦しんでいる若者が集える場として「姫路こころの事業団」を立ち上げられました。
娘さんのため、若者のためと思ってつくられたこの場が、結局濱中さんご自身の自分さがしのプロセスであることに気付いていかれます。
任意団体から5年目に、NPO法人を取得され、姫路市から精神障がい者の地域活動支援センターとして事業を遂行する委託を受けられました。
それが、大きな方向転換でした。
“こころ” に寄り添うと同時に、その方に合った社会とのつながり方、働き方をみつけていくことの大事さ。
この両方のバランスをどうとっていくかを、福祉という制度の枠組みがある中で、模索が始まったそうです。
国の方でも徐々に制度が整い、現在は引きこもりや、家から出られない人たちを、居場所づくりから就業支援も含めた3つの形態でサポートされることにより、その方たちが、少しずつ自分らしい働き方を見出せるように応援されています。
そんな活動を続ける中で、メンバーさんが働ける場の一つとして、ご縁のあった別所の地、原野状態に近い7000坪を農園として使っていきたいと思われたそうです。
別所の土地は、日本の原風景が残っていました。
次女真理子さんの一言
濱中さんの次女真理子さんは、“こころ”を病んでおられた時に、ハワイ島のドルフィンツアーに参加されました。
帰ってこられた真理子さんが何度も話されたのが、「今回経験したようなプログラムは、自然の中で一人でも安全に自分と向き合える時間があった。一緒に参加した同じような“こころ”の葛藤を持ち、悩んでいる人達とともに語り合えた。ヨガやダンス、美味しい食べ物などなど心身を緩めるワークショップも楽しめた。日本にもこんな場所があったらいいのにな!」
その言葉が、別所の畑を活用するという濱中さんの背中を強く押したようです。
真理子さんは、仲間に支えてもらいながらも、自分の経験してきたことが、少しでも役に立てたらと、セラピストとして登録し、「セラピスト・ルーム 青い鳥」を東京で開かれていました。“別所ファームガーデン・青い鳥”は、娘さんのセラピスト・ルームにちなんだものだそうです。
別所ファームガーデンは、私も何度か行かせていただきましたが、とてものんびりできる、いるだけで気持ちいい場所です。
みんなのために、そして自分自身も一番嬉しい場所に
濱中さんは、「人は、働くことだけに時間を使うのではなく、これをしたらわくわくするとかお金に換算できない時間を持てることがとても大切。そんな時間を世間から障がい者と区別されてしまっている方々、小さな子供たちがいる若い家族、リタイア―後のお父さんたち、子育てが済んだお母さんたちにも共になって存分に持って欲しい。」というのが、亡くなられた真理子さんからのメッセージと受け止められたようです。
そして何よりも
「お母さん、楽しんでいますか?」
と真理子さんから呼びかけられているように感じられ、「別所ファームガーデン青い鳥」が、誰よりも濱中さんが一番嬉しい場所にしたいな、と思われています。
たくさんの人とのつながり、自然とのつながりを楽しむ「さくらまつり」
こころの事業団さんは、2013年から4月にこの別所の畑で素敵なイベントをされています。
初年度はピザ釜を作られたので「別所森ん中のパン祭り」というイベントで、石窯でおいしいピザをメンバーさんが焼かれてこの日のためにパン作りも勉強されて、頑張られていました。
それから別所ファームガーデン「さくらまつり」に名前を変えられましたが、たくさんの方が食べ物、リラクゼーション、キッズイベント、コンサートなどで出店される楽しいイベントをされています。
今年は4月9日土曜日もうすぐです。去年は桜を見なかったですねと話しをしていたら、暖かくて桜が散った後だったようで、今年は満開の桜を見れるように、一週間早くされたそうです。
今年のメインイベントは、20mもある布をみんなで染める野染めらしいです。
もちろんスタッフとメンバー さんの焼くおいしい石窯ピザも出店されます。
たくさんの人とのつながり、自然とのつながりを楽しむ時間に足を運んでみてください。
駐車場に限りがあるのですが、子連れでものんびりできますよ。
どんどん夢を語って形にされていく濱中さんは、やっぱりすごい方でした。
長文になりましたが、最後まで読んでいただいてありがとうございました。
姫路こころの事業団さんのHPはこちら
http://himeji-kj.org/
文章:松村恵子
2016年04月06日公開