かきくけコラム :「イマハ、ドコデスカ?」02


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毎週、てくてくひめじ界隈で得意な分野を持つ方々にコラムを書いていただくコーナー「かきくけコラム」。

「懐かしい未来」をキーワードに、豊かな暮らしや生き方を模索する、いまいみきさんのコラムです。

第2回目「あったかい食卓のなかで」

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突然ですが、みなさまに質問です。
いま、あなたは誰と暮らし・誰と食卓を共にしていますか?

近年、核家族が主となった日本社会。
いまや独立し一人暮らしをする人も増え、核、というより「点」なのでは・・・と時々思うわたし。本来の家族から独立し、新たな生活を確立したり、時間に追われ忙しく生きること。
それが「正しい」のかは分からない。

だけど、忙しさを理由に、家族という本来「核」となる暮らしの時間をついついおろそかにして生きている人たちは、この日本にどれくらい存在するのだろう?

今日は、暮らしのなかの「食」をとおして、日本と外国の価値観についてを、わたしの視点で触れてみようとおもう。

ようこそ、我が家へ!

諸外国の色んな家庭を訪問したり居候していると、家族・友人以外の不思議な空間で食卓を共にする機会に多く恵まれる。
そのとき、彼らはわたしに普段の何気ない生活のことを尋ねてくる。

「だれと暮らしているの?」「普段、だれと一緒にごはんを食べているの?」

そして、やたらと「家族」について尋ねられる。
どうやら、わたしが彼らの暮らしに興味があるのと同じように、彼らもわたしの普段の暮らしに興味があるようだ。

当時、一人暮らしをしていたわたしは「ひとりで暮らし、ごはんもひとり」と答えた。(たぶん、この日本では「普通」のことだと思う。)
すると、皆がとても驚いたような、いや、悲壮感漂う表情でわたしにこう言うのだ。

「あなたはとってもかわいそう」と。

なぜ、わざわざ一人で暮らす必要があるのか?親や家族はいないのか?・・・
わたしにとって「当たり前」は、彼らにとって「当たり前」ではないのだ。

なかでも「食事をひとりで」というものは理解ができないようで、「日本人は、食事を一人ですることに何の違和感も持っていないなんて、本当に信じられない」と呆れられる始末。

彼らにとって「食」というものは、何を食べるかよりも、そのとき誰とどんな時を過ごすか、に重点が置かれてるように感じる。
気の知れた家族・友人らが、食卓を囲んで一緒にご飯を食べること。彼らは、当たり前のように「食」をとおして「暮らしの時間」を設けている。もしだれかが遅れて帰ってきても、また皆が食卓に集まり、何気ない会話をしながら、ゆっくり食事を楽しんでいる様子をわたしは何度もみた。

そういえば、日本でよく目にする、夜に家に帰ってきてひとりで食べている人や、携帯を触りながら…や、テレビを見ながら…という光景もみたことがない。彼らがわたしに言った「かわいそう」という意味のなかには、自分中心に物事を考えるのではなく、もっと他人を想いやり、お互い支え合いながら暮らしなさい、という意味が含まれている。

「家族や友人・心休まる人たちとの時間をもっと大切にしなさい。」と、彼らはよくわたしに話してくれた。
暮らしのなかの「食」、それは、暮らしやコミュニティーの原形なのだと。

彼らとゆっくり「食」の時間を過ごしていると、穏やかな時間がとてもありがたく感じる。でもそれが彼らにとって「当たり前」の世界。わたしたちは何を大切に生きているのだろう。

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暮らしながら支え合うあたたかさ

今わたしたちの暮らす日本では、仕事や時間に追われながら忙しく暮らすことが「当たり前」のようになっている。
仕方ないじゃない、と人はいうが、果たしてそうだろうか?

ではまず、今の自分たちの暮らしを思い浮かべてみてはどうだろう。
ご飯を食べているとき、誰かと会話はあるだろうか?そこにワクワクしたり、ほっと心が緩んだり・・・そんなゆっくりできる時間を、あなたは過ごせていますか?

あれからわたしは、家族や友人と一緒に食卓を囲む時間を大切にしている。
毎日出来なくても、たまに時間をつくって誰かと豊かな時間を共にすること、それは自分次第でどうにでも変えることが可能なのだと思う。家族や友人と食卓を共にすることで、じんわりと感じるあたたかさ・心が緩まっていく様子、それはとても大切な時間のように感じるのです。

さて、この文を読んでくださった皆さま。たまには家に帰って家族とゆっくり食卓を囲んだり、家族や友人と食事を共にする機会を増やしてみてはどうでしょう。きっと、忙しい日々の心がじんわりあたたまるはず。

第二回目・おわり。つづく。

文責:いまいみき
かつらぎ自然のまなび舎 http://ameblo.jp/katuragimanabiya/

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公開日 : 2016-11-2
最新更新日 : 2016-11-2