毎週、てくてくひめじ界隈で得意な分野を持つ方々にコラムを書いていただくコーナー「かきくけコラム」。
「懐かしい未来」をキーワードに、豊かな暮らしや生き方を模索する、いまいみきさんのコラムです。
第16回目「いざ、森のなかへ」
(前回のつづき)
お姉さんからチラシをもらってから数日後・・・
何気なくポケットからだしたチラシを眺めていたわたし。そのチラシは、「コゲラ文庫からのごあんない」と題したもので、オープンディや、おとなのおはなし会が、林田町のどうやら森のなかで行われていた。そのチラシの最後に『コゲラ文庫は・・・森のなかで「つくる・あそぶ・まなぶ・耳をすます」そんな場所を目指しています』と。それにわたしのアンテナが反応し始めました。
森のなかで、いったい誰が何をしているんだろう・・・
お姉さんからいただいたチラシは、実はもう一枚あって。それによると、近々この森のなかで「オフグリットしよう!太陽光で自家発電」というワークショップが行われるとのこと。気になるなぁ・・・行ってみたいけど・・・林田町って行ったことないしな・・・地図みたら、山のなかを「ひたすらススム!!」って書いてあるし・・・どうしようかな・・・気になるなぁ・・・そんな自問自答を繰り返していると、夫が「電話してみたら?」と。ドキドキしながら電話してみたら男の人がでて、更にドキドキ・・・・ただ、その方が丁寧に説明してくださったことで、妙な安心感を覚え、電話を切ったときには不思議と不安が消え「行ってみよう!」の気持ちに。
ひたすらススム!
そして当日。私たちは、「コゲラ文庫」がある住所を車のナビに入れてスタート!が、しかし・・・ナビにでてこない!!? ナビの道が途切れてる・・・え・・・ココだいじょうぶ?だけどチラシをみると「ひたすらススム!」と書かれているので、わたしたちはドキドキしながら、まずナビが示す方向へ。進んでゆくと、林田の村の集落に。そして、その先・・・どんどん道が狭くなっていく。え、ここ車通れる?みたいな細い橋を通り抜け、どんどん気づけば森のなかへ。相当まっすぐ進んだような?道中、森には人の姿がなく、ただ道はまっすぐに続いていて。
どうする?やめる?いく?どうする?と話しながら・・・えい!進んでみよう!どうにかなるさ~。
細く長い道を進んだ先に、その場所はありました。それまで生い茂っていた木々が一変、いきなり、ぶわぁ~っとひらけた空間に。そして素敵な山小屋が建っていて。そこに人が集まっていて。集まったひとが濃くて、正直、内容云々よりひとに意識が向いてしまっていたのだけど、主催された方は、森のなかで子どもたちを自然保育しながら暮らしていると話されていて「山と畑のまるごとえん」というらしい。なにより、彼らの肌の色は土色で、野生というか・・・日本人にみえない不思議な空気をもったひとたち。
彼らは、なぜあの森に住み始めたんだろう
森のなかで自然保育をするという選択をした理由ってなんだろう
彼らは、どうやって暮らしを営んでいるんだろう
もっとゆっくり話をしてみたいなぁと思いながら帰宅したことを今でも覚えています。そして、その疑問の答えを知りたいわたしの好奇心は、どんどん森に引き寄せられていくのですが・・・これが、わたしが今ある「かつらぎ自然のまなび舎」に出会ったエピソード。さて、それからわたしは彼らとどうやって関係を築いていったのでしょうか。
当時を思い出しながら今思うことは、直感に従って動いてみてよかったということ。あのとき、一歩を踏み出さなければ今の暮らしはない。そう思うと、人生というのは不思議の連続で、それは奇跡の連続でもあるような気がするのです。
人間関係を築くこと、深めていくことは、時間もかかるし容易ではないと思います。だけど、出逢いを繰り返すなかで不安もドキドキも感じながら、今を受け入れながらまず一歩を踏み出すこと。それは、まだ見ぬ新しい世界の入り口の扉をひらくことにつながるのではないかと思います。
4月になり、生活環境が変化する方も多いかと思います。ドキドキと不安の連続。だけど、勇気をもって一歩前へチャレンジすると、未来につながる面白い道を発見することができるかもしれません。実は人見知りなわたしですが・・・これからの出逢いもワクワクドキドキしながら、ゆっくり今を受け入れて進んでいきたいです。
文責:いまいみき
かつらぎ自然のまなび舎
HP:https://katsuragi-manabiya.jimdo.com/
ブログ:http://ameblo.jp/katuragimanabiya/