かきくけコラム :「本をめとらば…」01

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毎週、てくてくひめじ界隈で得意な分野を持つ方々にコラムを書いていただくコーナー「かきくけコラム」。
かきくけコラム:https://tekuteku-himeji.com/archives/3748

本が大好きで本に詳しい、「陽文庫-アキラブンコ」のみずいけさんに、本についてのあれこれをご紹介いただきたいと思います。

本をめとらば…

作者:柳沢きみお
初版発刊月:1987年03月
ISBN:9784091813213

『妻をめとらば』(つまをめとらば)は、柳沢きみおによる日本の漫画。
『週刊ビッグコミックスピリッツ』(小学館)で連載。

新人証券マンの高根沢八一を主人公とし、最高の妻に出会うために奔走する、社会人を描いた作品である。

のタイトルをオマージュさせていただきました。

「本をめとらば…」は一応、最高の本に出会うためのコラムとします。
が、たぶん第二回からは少し違う内容になるカモの予定(表現がなんかおかしい…)。

01の本「考える日々 全編/ 池田晶子」

発売日: 2014年11月
著者/編集: 池田晶子, わたくし、つまりNobody
出版社: 毎日新聞社
サイズ: 単行本
ページ数: 580p
ISBNコード: 9784620322711

46歳で亡くなった、哲学エッセイの草分けとも言われている彼女。

日常、ふと立ちどまって考えることのないことを考え、丹念に思考と言葉を紡ぎ、わかりやすい言葉で説明してくれている本です。
天然生活や暮しの手帖を読んで日々の暮らしを見つめたり、丁寧・丹念に暮らすのもよいですが、人間という存在を見たときに、本当は何が気にいらなくて、何を見過ごしてて、何に蓋をして毎日を過ごしているのかに気づかされるかもしれない一冊。

明日ワゴンでママ友とコストコいくよ!とか、三田のアウトレットにバーゲン品買いに行きます!という方には、我に返りすぎて冷静パスタになりすぎてしまう一冊かもしれません。

なので、ご利用は計画的に(´・_・`)

今、隣にいる旦那さんや、彼氏がただの物体にしか見えなくなるかもしれない。でも、カフェにいるときや、1人になったときに、ゆっくり読むと、自分バージョンアップが自然とできる一冊かもしれません。

池田晶子さんの完全な書き下ろしはもう出版されないのが、残念でなりませんが、ぜひ一度ご賞味ください。

本文より気になった部分を少し紹介します。

ダメな人ほど主張する

いったいに、この「自分を主張する」ということはどういうことなのか、あまり人は考えたことがないのではないかと思う。主張のない人間はダメだというのが社会の通念のようだが、それならその主張とはどれほどのものなのか、問い詰めてみれば、右のような要するに自分に注目しろというそれだけのことである場合が多い。それならその「自分」とは何か、「自分が存在する」とはどういうことなのか、なんてことは、問い詰めるまでもなく、考えたこともない。
以前、「青年の主張」という国民的な催しがあったが、ああいうところに出てくる青年は、ほとんどがそうだと思う。主張するとは、自分を主張することだということに疑いがない。これに対して、主張する以前に、その主張する自分の何であるかを考えている青年は、当然、寡黙である。そんなところに出てくるわけがない。
私から見るなら、主張のある人間はダメである。たんなる自己主張と存在の自己表現とは決定的に違うのである。その分別のつく人間だけが、正当にも自己表現を為す資格があるのだが、いかんせん、そういう人は、だからこそ自分から出ようとはしないものだから、世の中、品のない自己主張でいっぱいである。うまくゆかないものである。「存在の真実」に気づいたごく少数の若人たちが、次の時代を拓いていってくれることを、祈らずにはいられない。

<池田晶子『考える日々 全編』(2014.毎日新聞社) p.479~480より引用>

「陽文庫-アキラブンコ」とは

本のことならなんでも。

現在は古本を取り扱ったり、知り合いの商店やカフェで、本の貸し出しや、本棚の賑やかしなどをゆるりとしています。

読書の素晴らしさを伝えたい!という気持ちもなくはないのですが、本が売れなくなって久しく、もはやインテリアや、雑貨的な扱いでも良いので、紙の本が残れば良いなとも思っています。ただ本を売るだけの人でもないし、ブックディレクターとかそういう大それたもんでもなく、「本好きの人」くらいの立ち位置でよいかなぁと。本好きの人が本を使って何かしますよ、と(なんかはようわからんのですが…)。

出版されれば、その本をどう解釈してどう使うのかは、著者の手元を離れて読者に行くように、陽文庫も、そこに本は置いておいて、その後の本との向き合い方はご自由にドウゾ、というようなスタンスです。

というわけで…結局何をしてるのか、何をしていきたいのかようわからんですね(´・_・`)

フワッとしてますが、まぁ、なんかしていきます。

ちなみに私は、高校時代は沢木耕太郎の「深夜特急」も知らないくらいで、読書経験はほぼ0。大学時代からぽちぽち読書を始め、そのあと書店の従業員として約10年程働いた、30代の独身男です。

今回紹介した「考える日々 全編」は「陽文庫」として、現在、あさのは商店さんにあります。あさのは商店さんは貸し出し可となっています。

あさのは商店 http://www.asanoha.net/

尚、ひそかに伊伝居のパーランドコーヒーさんでも棚を借りて、陽文庫を展開中です(貸し出しは現在なし)。

よければ、あのオサレ空間で読書するという、オトナ時間を過ごしてみてください。

パーランドコーヒー http://www.cafe-parland.com/


来週は、農家の、はひふへホクちゃんです!よろぴくオレンジロード!

文:みずいけあきら(陽文庫)
Facebook 陽文庫-アキラブンコ

あさのは商店

あさのは商店

姫路生まれ・姫路そだち。姫路→大阪→徳島→姫路。
肌の弱い自分が必要なものを近くで買えるとうれしいなーと、肌にやさしい日用品「あさのは商店」をしています。
趣味は、ウクレレ・縫い物・言葉の観察など。

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