伝統を守り新時代を築く[衣川松陽堂 (キヌガワショウヨウドウ)]和菓子 姫路 白浜

写真:間澤智大

先々代からの味を守りながら、新しい菓子の開発や工夫を続ける「衣川松陽堂 (キヌガワショウヨウドウ)」さん。
灘のけんか祭りで有名な松原八幡神社前に店を構える、創業80年以上となる老舗店です。

昔ながらの製法を大事にされ、基本に忠実に。
素材を活かすことを心がけ、配合された材料の仕入れが主流となってきている和菓子界においても、添加物はなるべく使わず、材料は全国から厳選し取り寄せたものを使用されています。

白浜の店で材料の配合から、菓子製造の各工程、完成した菓子の個包装まで一貫し、最後の最後まで丁寧に。
心のこもった菓子づくりを行われている菓子店です。

伝統の菓子、新世代の菓子

先々代が松原八幡神社前に「日の出製菓」を創業され、先代が「衣川松陽堂」と改名。
2019年からは、3代目が店を引き継がれました。

生まれも育ちも白浜の現店主。
菓子店に産まれ育ち、中学生のころには「菓子店を継ぐのだ」と自然と意識されていたそうです。
高校卒業後は菓子職人の元へ修行に入り、たくさんの知識と技を得て松陽堂に戻られました。

現在の松陽堂さんは、店主、店主奥様、店主弟さんの3名で切り盛りされていますが、それぞれが全国の有名店で修行をされてきたという菓子職人。

店主は大阪で。
奥様は奈良で。
弟さんは千葉で。

それぞれがそれぞれの知識を得、技を磨き、その知識と技を融合させる。
創業からの伝統と味を守りつつも、新しい菓子づくりにも励んでいらっしゃいます。

定番和菓子「みかさ」

「みかさ」172円
時代を超えて、美味しいものはやっぱり美味しい!

写真:間澤智大

衣川松陽堂の味として創業以来愛されている、みかさ(三笠)。
関西地域では「みかさ」として、全国的には「どら焼き」として親しまれている定番の和菓子です。

松陽堂さんのみかさは、満足感のある大きさ、ほっくりとした栗がごろごろっと入って、お値段はお手頃な172円。

しっとりとした生地と餡が上品な甘さでまとめられた親しみやすい松陽堂さんのみかさは、和菓子界の定番であるだけに完成度の高さが光ります。

旬のフルーツを使った「フルーツ大福」

写真:間澤智大

3代目となってから新たに誕生した菓子もたくさんあります。

特に発売以来「フルーツ大福」は、 洋菓子好きな方や若い世代にも、その見た目のかわいらしさも加わって、人気商品に。

ふくっらやわらかい、純白の美しい皮につつまれた、カラフルなフルーツはキラキラと宝石のよう。
通年通して用意のあるものもありますが、旬のフルーツを使ったものも多く季節感も味わうこともできます。

全世代に愛され続ける和菓子店

松原八幡神社

取材時にもいろいろなお客さんが来店されていました。
評判をきき遠方からのお客さんもいらっしゃいますが、何より地元の方々に愛され続けているのだな、と感じる場面にも遭遇しました。

自転車に乗ったご婦人。
お子様と手をつないで来店された若いご家族。

みなさん松陽堂さんのお気に入りメニューを、慣れた様子で迷うことなく購入されていました。
常連さんであることがうかがえます。

衣川松陽堂さんが位置するのは、全国的にも「灘のけんか祭り」有名な松原八幡神社の目の前です。
自然と多くの方が集まる場所でもあります。

いつもは穏やかな雰囲気の店前も、祭りの日には人で埋め尽くされ、熱気に満ち溢れるそうですよ。

「灘のけんか祭り」から着想を得た 新作羊羹

祭りをこよなく愛する店主による、灘のけんかまつりに着想を得た、色鮮やかな羊羹がこの秋誕生しました。
基本のこしあんとそれぞれ味の異なる2色2層の羊羹です。

ピンク :柿
若緑 :ラムレーズン
赤 :甘酒
黄赤 :栗
朱赤 :味噌
黄 :柚子
青 :こしあん

※羊羹の色と味ついては、季節によって中身の味が変わります

こちらはピンクの「柿」

全色をセットで、贈り物にもしても、もらって側が嬉しくなるかわいいパッケージ。
一人でお気に入りの味をいただくにもちょうどいい、サイズ感です。

2020年2021年は残念ながらコロナ禍であったため祭りは開催されませんでしたが、「来年こそは」の祈りをこめた、祭りとともにある松陽堂さんの願いのこもった新作です。

新しい衣川松陽堂の顔「かりんとうまんじゅう」


お祭りやいろいろな会にも用名の多い、松陽堂さんの菓子。
店頭にはたくさんの菓子が並びますが、大口注文などは事前の予約が安心です。

3代目からの商品ですがすっかり秋の定番となっているのが「かりんとうまんじゅう」。
毎朝工房で揚げているため、数量限定となり、たくさん欲しい場合はこちらも予約がおすすめです。

黒糖と小麦粉を練り込んだ生地にこしあんを包み、蒸してから揚げています。
秋からの季節限定、大人気商品となっています。

もちろん店頭に並んでいるときは、お一つからの購入が可能で、130円という料金も良心的!
揚げたてはもちろんですが、夜になっても外の皮はざっくざく、中はしっとりとした、お味も上品な店自慢のかりんとうまんじゅうです。

白浜の店頭以外でも手にできる気軽さ

山陽電車白浜の宮駅から徒歩10分ほどですが、なかなか来店が難しいという方は白浜の店頭だけではなく、姫路のいくつかの店で気軽に買えるのも嬉しいところ。
2021年10月現在、下記の店舗にて販売されています。

マックスバリュ宮西店
マックスバリュエクスプレス 北条店
マックスバリュ イオンタウン姫路店
マックスバリュ 東山店
イオン 姫路リバーシティー店

お近くの店舗もぜひご利用ください。

伝統を重んじながら、新しい時代に合わせた変化を

2021年には気も新たにお店のロゴマークも一新され、洗練されたWEBページも完成しました。
徐々にパッケージなども刷新されていくそうです。

公式WEBページ : kinugawashoyodo.com

年末(早ければ11月)には、衣川松陽堂さん一番の伝統の味であり、毎年恒例、たくさんの方が待ちわびている「生姜だんご」もはじまります。

限定品は、秋冬だけではありません。
おぼんやお彼岸には「おはぎ」初夏からは「わらびもち」「麩まんじゅう」など、1年を通してお楽しみがいっぱいです。

限定商品や最新情報はこちら : 公式instagram

先人たちがつくりあげた伝統の製法や味を守る、昔ながらの菓子。
変化を恐れず受け入れ、3代目による衣川松陽堂さんによって新たに解釈された新しい菓子。

どの菓子も、技術だけではなく、味覚をもった職人3人がつくりあげる衣川松陽堂さんの味となっています。

普段の茶菓子に、もちろんお土産にも喜ばれること間違いありません。
毎日に寄り添うような衣川松陽堂さんの菓子を、ぜひお楽しみください。

衣川松陽堂 詳細


名称:
衣川松陽堂

住所:
〒672-8023 兵庫県姫路市白浜町甲396-18

兵庫県姫路市白浜町甲396-18

営業時間:
月〜土 / 9:00〜18:00
日 / 9:00〜17:00

定休日:
不定休
※繁忙期明けは臨時休業をいただく場合がございます

お問い合わせ:
お問い合わせは、御電話にて承っております。
お取置きやまとめての御注文のご相談等、お気軽に御連絡ください。

079-245-4393
fax 079-245-4658
※お電話は営業時間内にお願いいたします

公式WEB:
https://kinugawashoyodo.com/

公式instagram:
https://www.instagram.com/kinugawashoyodou/

OTETEお手伝い

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2011の震災で東京→姫路に自主避難。姫路生活も長くなってきたが、まだまだ知らないことばかりで情報収集中。美味しいものを食べることが大好き。でも震災後は安全であることも大事に。偏愛主義者。WEBや印刷物の制作をお手伝いする「OTETEお手伝い」を運営中。

好き:カレー(スパイス料理)、パクチー、アート、音楽、手作りすること

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