揖保川の少し東、姫新線の東觜崎(ひがしはしさき)から徒歩10分ほどのところに2018年夏新しい施設が誕生しました。
段ボールの新しい可能性を考え、試してみる場所。
HACO-LABO(ハコラボ)さんです。
大正3年より箱作りを続ける YOU PACK
母体となっているのは、木箱やダンボールの製造販売をされている株式会社ユーパックさん。
大正3年(1914年)に創業され、創業時はたつの市の地場産業であるお素麺の木箱の製造販売をされていました。
やがて、木箱から段ボールが流通の主流となっていき、段ボールの製造も昭和38年に開始されます。
社名も
【山口製箱所】
【山口製凾株式会社】
その後平成15年に現在の【株式会社ユーパック】
と、時代の流れとともに変更されています。
ユーパック YOUPACK という社名には
お客様にとっての YOU
社員にとっての YOU
地域にとっての YOU
みんな(YOU)に愛されお役にたてるように
という願いが込められているそうです。
YOU PACKだけの個性を HACO-LABO誕生
全国には2000以上の段ボール製造会社があるそうです。
段ボールの製造には大きく3つの工程があり、それぞれを別の会社が通常は行っています。
製紙会社:段ボールシートとなる素材を製造します
段メーカー:段ボールとなる段ボールシートをつくります
ボックスメーカー:段ボールシートをつかってボックスなどに仕上げます
ユーパックさんは三番目の仕上げを行う「ボックスメーカー」。
段ボールシートを仕入れて、それを段ボール箱などにしあげていきます。
我々がよく知る「段ボール」は3枚の紙でできており、真ん中の波波の中芯を表と裏の紙でサンドしたものです。
この構造が、衝撃を和らげてくれています。
全国には現在2000以上のボックスメーカーがあり、播磨だけでもユーパックさんだけではなく、いくつもの会社が段ボールを製造されています。
競合が増え、競争が激化していけば、どこの業界もそうですが、安く安く安く… と価格競争になりがちに。
段ボール製造業界も同様です。
大手は製紙からボックス製造までを全て一括で行い、価格を下げてきます。
海外から他の安い梱包材などもどんどんと入ってきています。
安さだけを追求していくと、薄利多売となり、やがて会社が… そして働く人々が疲労困憊する原因になりかねません。
そこでユーパックさんでは、たくさんあるボックスメーカーのなかで他社との違いを確立し、個性を打ち出し、付加価値としてしていくことに。
よくある「みかん箱タイプ」の箱しか、段ボールではつくれないわけではありません。
イメージを形にする場所、試してみる場所、そして情報発信の場として、2018年HACO-LABO(ハコラボ)がユーパックさんの新たな取り組みとしてスタートしました。
段ボールの可能性を探究する HACO-LABO(ハコラボ)
HACO-LABOさんでは、各種段ボールの試験機、そして製作室を配置して、製品の品質保証・保持のほか、新しい仕様の提案や新製品の開発を行っています。
創業100年の知識と技術を活かして”たしかなハコ”を。
デザインのちからや新しい発想を活かして”たのしいハコ”を。
HACO-LABOという名には
HACO ハコ :木箱や段ボールのこと
LABO ラボ :研究室、実験室のこと
という意味が込められ、さらにもうひとつ、
collaboration(コラボレーション)という意味も含まれています。
コラボレーションには
「協力、協調、協業、共同制作、共同研究」などの意味が。
クライアントさんの話をじっくりときいて、知識と技術を活かし、今までの概念だけにとらわれず新しい段ボールの可能性を突き詰めていくことを目指す施設です。
地元を大切にし 丁寧なものづくりを
たつので創業し100年以上。
この地で続けてこれたことに感謝し、地元たつのをとても大事にされています。
素麺はもちろん、たつのには醤油や農産物をつかった加工品など、たくさんのよい商品があります。
老舗だけではなく新たに活動をはじめた団体も増えています。
段ボールの優れた特性とデザインのちからで、様々なパッケージも手がけていらっしゃいます。
また、より親しみやすい・相談しやすいラボとして、地域で行われている各種イベントにも積極的に参加。
2019年3月に行われる「かどめ青空マーケット」、春に行われる「トランクマーケット」への参加が決定しています。
■かどめ青空マーケット 関連記事はこちら
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その他、これからのイベントシーズンに向けて、段ボール迷路(販売もレンタルも可)などの問い合わせも複数きているそうです。
HACO-LABOさんの活動などの最新情報については、公式Facebookにて確認いただけます。
“これから” の段ボール、ユーパック、HACO-LABO
「段ボール」というのは、必ずしも輸送用の箱である必要はなく、様々な可能性を秘めた”素材”です。
軽く持ち運びしやすく、かつ丈夫。
コンパクトに畳んだり、デザインによっては自身での組み立ても可能です。
加工もしやすく、リサイクル率も高いという特徴もあります。
段ボール”箱”だけではなく、段ボールという素材を使いさまざまな雑貨などのプロダクトをつくっていきたい。
段ボールの可能性をつきつめ、個性や強みに。
ユーパックさんの、HACO-LABOさんの試みはまだ始まったばかりです。
この場所で、これから生みだされるさまざまなプロダクトに、いろいろな場所で出会えることでしょう。
HACO-LABOさんらしい個性のある段ボール、とても楽しみです。
HACO-LABO ハコラボ 詳細
“HACO-LABO はいつもひらいています”
をコンセプトに掲げ、企業の方も小売店の方も個人の方にも、来ていただきやすい環境を目標とした施設です。
ユーパックの営業時間は基本的にはスタッフが在中していますが、イベント出店や打ち合わせなどで不在の場合もございますので、ご来館の際はご連絡いただけますと確実です。
住所:
兵庫県 たつの市 神岡町大住寺794
TEL:
(0791)-78-8511
営業時間:
09:00〜17:00
定休日:
土日
(イベント出店時など臨時休業あり)
駐車場:
あり