昨年、衣・食・住、家計、子供のことなど、暮らしに関わるさまざまなことを学び合う「姫路友の会」についてご紹介しました。(記事はこちら)
あちこちで反響をいただき、なかでも、友の会が運営する満3才児を対象にした幼児生活団「4才児グループ」に関する質問が多く寄せられたので、さらに詳しくご紹介します。幼児をもつお母さん方にぜひ読んでいただきたいです。
子どもへ生活習慣の贈り物
4才児グループは満3才児(4才になる年)を対象とした幼児生活団です。4月から1年間、週に一度だけ、友の会の活動拠点である「友の家」に集まり、お母さんから離れて生活の基礎を学びます。
まず登団すると自分の足でお部屋に向かいます。自分の持ち物を片付け、うがい手洗いを済ませて、元気にきた「しるし」を貼ることから1日が始まります。みんなで集まった後は、毎週新しい生活講習を教えてもらいます。
うがいの仕方、顔を洗う、ひとりでトイレにいく、洋服を自分で着る、…、どれも丁寧に指導者さんから教わり、子どもたちはひとつひとつ自分のものにしていきます。家に帰ると教わった生活講習を見せてくれますが、細かい動きまで本当によく観察しているのが分かります。
家では教わったことを練習し、できたら「はげみ表」を貼って記録するのですが、翌週の集まりでそのはげみ表を貼りだし、みんなの前で自分の言葉ではげんだ内容を発表します。
全部できたらどんな気分だったか、できなかったのは何故か。人前で話すのは大人でも緊張しますが、子どもたちが自分の言葉をすらすら話す様子には驚きました。(学期の終わりには母親参観があります)
生活習慣なんて自然に身につくものと思っていましたが、子どもたちの反応や取り組み方を見ていると、「人から教わること」への興味が高いことがよく分かりました。
例えばうがいの仕方ひとつとっても「どうしてうがいをするのか」から詳しく教わっているので、手つきが丁寧です。「のどのホコリをお掃除するんだよ!」と得意気に披露してくれます。大人が何気なくやっているひとつひとつの習慣が、子どもにとっては発見の連続なのかもしれません。
お母さんたちも学びの場
子どもたちが登団している間、お母さんたちは裏口からこっそり潜入し、別室に集まっています。子どもたちの勉強の間に、お母さんたちも勉強するのです。
まずは、交代で昼食と軽食を作ります。メニューは友の会特製レシピを元にしています。作ったことないメニューもありますが、料理のレパートリーが増え、どれもおいしいレシピばかり!子どもたちも食事を楽しみにしているので、お母さんたちも張り切って頑張ります。
他のお母さんたちは、別室で育児に関する著作集を読んで互いの話を聞きあったり、家事の基礎を教わる時間を過ごします。どれも子どもの生活をよくするためのもの。
既存の服を子どもの脱ぎ着しやすい服にアレンジしてみたり、脱いだ服をたたんでしまえるお支度箱を作ったり、子ども服のお裁縫にもチャレンジしました。
4才児グループは、お母さんたちの学びの場でもあるのです。
子どもへの贈り物
子どもに、自分のことは自分でできるようになってほしいと願うお母さんは多いと思います。でも、子どもが自分から習得してくれたら楽チン♪という考え方の方には向かないかもしれません。
4才児グループに通わせるお母さんたちは「子どもの為なら頑張れる」という共通意識があるように感じます。その信念があれば、不器用でも口下手でも問題ないと思います。
私自身、とても大雑把な性格で何度もお裁縫につまづいていますが、指導者さんや他のお母さんに何度も丁寧に教えてもらい、助けてもらいました。
子どものスカートを完成させたときは自分でもビックリしましたし、それを嬉しそうに子どもが着ている様子を見るのは言葉にできない達成感でした。
2017年度4才児グループ生募集中
現在、2017年度の入団希望者の応募を受け付けています。
対象は満3才(2013/4/2〜2014/4/1生まれ)で、2017年4月から1年間の入団になります。
ご興味のある方は、Facebookメッセージ、または、姫路友の会 広瀬(079-431-0699)までご連絡ください。4才児グループの生活についての詳しい説明のほか、活動の様子を見学していただけます。
姫路友の会「4才児グループ」
tel : 079-431-0699(広瀬)
Facebook: https://www.facebook.com/himeji.tomonokai/
文章:藤田佳那子(姫路友の会)