2023年12月2日に野里商店街から少し行ったところ、姫路市竹田町の築150年以上といわれている町家に EMON (エモン) さんがOPENしました。
町家がまだ多く残る野里界隈ですが、EMONさんが面する道路は車の交通量も多い場所。
さもすれば足早に通りすぎてしまいそうですが、趣きのある町家と大きな窓を彩る緋色、そこから店内に並ぶ衣類やアイテムたち、奥で静かに灯る明かりが目を引き、足を止めずにはいられません。
「EMON」という名はオリジナルプロダクトのアパレルをシーズンごとに発表するドメスティックブランドの名称です。
そして、竹田町のショップ名でもあります。
竹田町の店は、EMONさん初のショールームであり直営店となっています。
長年の経験を活かした EMONオリジナルウェア
北は北海道から南は現在四国まで、すでに8店舗のセレクトショップなどで取り扱われていますが、本格的にEMONとしてのアイテムを発表されたのは2023-24年秋冬(AW)から。
オーナーの豊島さんはEMONをスタートするまで、神戸、東京などでアパレル業界に25年以上携わり、これまでにたくさんの新しい商品をを企画、販売、流通、製造の現場もたくさん経験されてきました。
今も昔も服が大好きでその熱意はかわりませんが、突き詰めていけば行くほど、ビンテージやミリタリー、ワークウェアの魅力に気付かされたそうです。
それらは長い歴史の中で、現場で何度も型やディティール、強度などが改良され、ファッションとしても繰り返し昇華してきたアイテムたち。
無駄のない美しさと実用性、用の美を兼ね備えています。
リスペクトするアイテムをソースとしてEMONとして解釈し更にアップデート、アイデンティティを与えたものをEMONとして発表されています。
アイテムはどれもユニセックスで、サイズ表記は「1」「2」‥と数値表記。
男性だからL、女性だからS といったような決まりはありません。
お店ではもちろん試着もしていただけます。
そしてそれぞれのウェアには品番だけではなく、品名として野草の名もあります。
例えばEMONさんを代表するアイテムであるデニム地のカバーオール。
こちらには、「SAGISO」という名がついています。
サギ草は白鷺城(姫路城)にふさわしい花として、姫路市の市花として制定されている野草の名。
その他にもHAKKA、SHAGA、SHIKAKUIなどなど。
名前がつくことで、よりそのアイテムに愛着がわいてきますね。
SAGISOにも細かな工夫がたくさんつまっています。
身巾にゆとりをだし着丈は短く。
胸ポケットはなくし、ボトムスとあわせてもバランスよく。
染にも純度と鮮度のいい青さを表現するため、オリジナル製法のインディゴで染色を行っています。
何度も試作を繰り返して完成させていくアイテムたち。
一つ一つ、縫製も国内の工場へ、それぞれの特性と相性を見極め発注。
どのアイテムにもたくさんの服を扱ってきたEMONさんの知識がつまっています。
服だけではなく、オリジナルのトートバッグや、東京千駄ヶ谷のレザーブランドFREE HAND別注のアイテムも。
他にも150年の町家にも馴染む生活を豊かにするアイテムがセレクトされています。
店内奥には注文から数ヶ月待ちは必須の、鋳込み型の技法でつくられる白磁のシェードが美しい、飛松灯器さんのランプに明かりが灯されています。
お伺いしたのはまだ日がある時間でしたが、日が落ちてからの空間にもまた訪れてみたくなりました。
伝統に余白を残しながら 変化し続ける
「流行り はやり」のあるものには「廃れ すたれ」もあります。
長く世界中で愛用されてきたアイテムには理由があり、不変的でありゆるがないものがあります。
奇抜さやファストファッションなどとはまったく異なるものです。
伝統、その良さに余白を残しながら。
現代の生活に、日常にも溶け込むように変化し続ける、ブラッシュアップされたEMONさんのプロダクトは、年齢も性別も問わず多くの方へ響くのではないでしょうか。
「EMON」 というブランド名には、着物の衿部分にあたる「衣紋(えもん)」と、”良いもの” の「ええもん」 という意味が込められているそうですよ。
次は2024春夏(SS)コレクション!
Tシャツやカットソー、ベストなど新作もあるそうで、そちらもまた楽しみですね。
EMON エモン 詳細
住所:
兵庫県姫路市竹田町8-1
営業日:
木 金 土 日
営業時間:
13:00 – 18:00
駐車場:
1台
兵庫県姫路市堺町25 / No.3
WEB・ONLINE SHOP
https://emon-eemon.com/
instagram:
https://www.instagram.com/emon_eemon/
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