毎週、てくてくひめじ界隈で得意な分野を持つ方々にコラムを書いていただくコーナー「かきくけコラム」。
「懐かしい未来」をキーワードに、豊かな暮らしや生き方を模索する、いまいみきさんのコラムです。
第19回目「廃材で小屋をつくろう」
台風が通り過ぎるたび、周りの田畑の被害が気になって、ソワソワしながら外を眺める時間。皆さまは、何事もなくお家も無事だったでしょうか?
さて、平成最後の夏休みが終わりましたね。ほくちゃんのコラムを読んで、ほんまや!平成終わってまう!と今さら気づいたわたしです。わたしの平成最後の夏休みは、かつらぎ自然のなまび舎にて、小屋づくりをしたことが一番の思い出です。あつかったー!
廃材とよばれて
実はこの小屋づくり、畑に収納できる小屋がほしい!と畑で作業するお母ちゃんたちからの声をカタチに、今年の1月にスタートしました。どうやってつくる?材料はどうする?
建築士の仲間と相談しながら、皆でいまできることを・・・と仲間が集めていた廃材を使って、皆で力を合わせて小屋を建てることになりました。
仲間が集めていた廃材の木々は、もちろん唯一無二のカタチをしています。そもそも廃材とは、不要なものとして廃棄された材木のこと。大地から芽をだし、大きく育った木を伐採し、わたしたちの生活に利用され、そして廃棄されたものです。廃材とよばれる木は、もう使えないわけではありません。新しく加工された木とは見た目が違いますが、同じ木なのです。そして彼ら廃材は、長年使われてきたであろう独特の風合いをしています。
命が吹き込まれる瞬間
この廃材をつかって、いちから私たちは小屋をつくっていきました。ノコギリ・インパクトドライバーは使用しましたが、建築機材はほぼ使わず、主に手作業でいちからつくる。レベルを機械で合わしたりせずに本当にできるのか?と半信半疑のわたしの気持ちとは裏腹に、行き当たりバッチリで不思議とおさまる寸法!
そして何より、先日まで倉庫に積み上げられていた廃材の木々たちが、みんなの手が加わることによって、息を吹き返し、まるで、前からそこに建っていたかのような、穏やかに佇んでいました。どんどん廃材とよばれる木々が蘇る様子を眺めていると、こちらもなんだか嬉しくなります。
1月に小屋の基礎作りを、そして7月8月と棟上げ・建方工事をし、無事に畑の小屋第1号が完成!こんなのできるんちゃう?こうしたらいいんちゃう?と話をしながら皆でつくり上げた小屋は、畑の道具が無事に収まり、いまもどんどん活用しながら、手を加えて育っています。
自分たちでつくると、もし壊れても直すことができるし、どんどんカタチが使いやすいように変容できる。プロに頼むときっちり仕上がるのかもしれませんが、これも味。なにより、皆でつくりあげたことで、より愛着が生まれるような気がします。
あるものでつくること。廃材とよばれる素材は、無限の可能性を秘めていると改めて感じました。古くなったら捨ててしまうもの、たくさんあるのかもしれません。だけど、利用価値をまた新たに生みだすことで、またひとつの命が生まれ育つ。その瞬間に立ち会えて、わたしはこの夏本当に良い経験をさせてもらい、感謝の夏でした。
そして!また新たな学びの機会がかつらぎ自然のまなび舎におとずれます。
今度は、竹を利用して、竹テントをつくるそうな。参加者ひとりひとりがすぐに学んですぐにつくって持って帰れる、というようなものではないですが、ゆっくり学んで、まずはひとつ、皆で力を合わせて竹テントを完成させるそうです。今週末8日9日に行われますので、良かったら「かつらぎ自然のまなび舎」のイベントページ、もしくはメールに問い合わせしてみてくださいね。
手作業でいちからつくる学び、単純にものをつくる喜びの他に、もっとなにか充実した気持ちを味わえるかもしれません。それは、やってみた人にしかわからない・・・と思います!良かったら是非ぜひ◎
文責:いまいみき
かつらぎ自然のまなび舎
HP:https://katsuragi-manabiya.jimdo.com/
ブログ:http://ameblo.jp/katuragimanabiya/