毎週、てくてくひめじ界隈で得意な分野を持つ方々にコラムを書いていただくコーナー「かきくけコラム」。
毎月第4週目は、稲美町で森のようちえんと小学部をされている、[ころあい自然楽校]さんが綴る
〇こども
〇教育
〇保育
〇自然育児
をキーワードとしたコラムをお届けしています。
2の学び:自然とともにある。自然を楽しむ心。
こんにちは!
ころあい自然楽校、幼児スタッフです。
ころあい自然楽校、幼児クラスの子どもたちは、週の半分「森」と呼んでいる、自然豊かな町内の野外施設で過ごしています。
完成されたおもちゃや遊具がなくても
石や木、草、土、水、虫・・・
自然のものに目をキラキラさせ、楽しみながら、イチから遊びを創っていきます。
大自然と共に、たくましく感性豊かに育つ子どもたち。
第2回は、ころあい自然楽校、幼児クラスの子どもたちとの日々や、大切にしていることをお伝えいたします。
自然と共にある、子どもたち。
今年は、例年以上に残暑が厳しく、涼しい風よ~!と心待ちにした毎日でした。
通り抜ける風、森に足を踏み入れた時の空気の冷たさ、陽の当たり方などに少しずつ変化を感じるようになってくると、大合唱だったセミの声は段々小さくなり、セミは、木の上へ上へと…
ついには、手の届かない場所まで隠れてしまいます。
「あ~。今日は、もうあんまりおらんな~。」と子どもたちのつぶやき。
自然を感じる子どもたち。
いつも、わくわく、ドキドキをありがとう。
自然と共にいると、春夏秋冬「また来年!」の楽しみがいっぱいです。
子どもたちと空を見上げて
みんなが大好きな外あそび。
「草むらに何がいる?」
「木登りする?」
「鬼ごっこしよう!」
いろいろな楽しいことがありますが、その中でも子どもたちと「空」を見上げる時間はとても楽しく、幸せな時間です。
「あの雲でっかいな~。」
「くるくるアイスクリームにみえてきた…。」
「たべたいなぁ…。(うっとりした顔)」
そんな楽しく可愛い会話はどんどん広がり、空が子ども達の可愛い想いでいっぱいに見えてきます。
また、
「雲がすっごいスピードで動いてる!」
「あっちの雲が黒いで~。」
など、その変化にもよく気付いています。
夏から秋の空は本当によく変わるので、自分の五感を使って楽しみながら気付いて欲しいな…と子どもたちに天気の話をしてみました。
○ つばめが低く飛んだら雨
○ 夕焼けの次の日は晴れ
○ 蛙が泣いたら雨
○ 山びこがよく聞こえたら雨
などなど…
他にも沢山の言われがあり、
「なんでなん?」
「これは知ってる!だって雨降る前は蛙鳴くやん!」
と子どもたちからも様々な反応があり楽しい時間でした。
感じる。やってみる。身体で学ぶ。
・・・その後、年少組は小川で、年長組は山で遊びました。
昼食時に、1人の年長児が年少児に、
「なぁなぁ、山からヤッホーって言ったん、聞こえた?」とにっこり。
・・・さっきの“山びこがよく聞こえたら雨”の話を早速試していたそうです。
なにやら大きい声が聞こえていたのは、そういうことだったのか~(笑)
「聞こえたって~!」友だちへ、嬉しそうに報告していました。
いろいろな空の表情を感じ、味わえること、とても気持ち良いです~。またお子さんたちとお空を見上げてみてくださいね。
子どもたちと種
この夏は、アサガオ、オシロイバナ、フウセンカズラ、ひまわりなど色々な種であそびました。
種の付き方、形、模様、どれも違っていて子ども達は夢中でお花をつつき、種取りをしていきます。
子どもたちは、代表のゆりちゃんから“カワラヒワ”という可愛い鳥がいて、裏のお宅のヒマワリの種を食べに来ていることを聞きました。
数日後の散歩途中、置いてあったヒマワリの種が一粒残らずなくなっているのに気が付き、びっくり!
「食べてるなぁ。」
「全部ないなぁ!」
「お腹いっぱいやろなあ…。」
みんなカワラヒワに想いを寄せていました。
そのひまわりは、私の実家で咲いていたものだったのですが、その種の量に「凄い…。」と呟く私に、母が
「うちのは落ちばえしたヒマワリやから、種を残そうとして種の部分が大きくなって花びらが小さいからな~。」
と言いました。
確かにそのとおり、花びらよりも種が目立ったヒマワリだったな…。
そう知ると、また見方も変わりますね。
来年もあの可愛くて、力強い姿を見たいなと楽しみにしています。
一粒の種から花が咲き、種が出来、運ばれて、新たな所に根をはり…植物ってすごいですね。
「感じるこころ」―― 生きる土壌を子どもたちと耕す。
自然の中の“不思議”や“なるほど!”は身近な所にたくさん隠れています。
子どもたちと自然の中で過ごすと、一緒に発見して驚いたり、一緒に「むふふ」と嬉しくなったりすることもしばしば。
そのたびに、“子ども”と“大人”と“自然”の距離が近くなっていくような気がしています。
アメリカの海洋生物学者、レイチェル・カーソンは著書『センス・オブ・ワンダー』の中で、
“「知る」ことは「感じる」ことの半分も重要ではない”
全ての子どもたちに、“センス・オブ・ワンダー=神秘さや不思議さに目をみはる感性”を授けたい、と言っています。
この感性は、子どもたちが大人になるとやってくる“怠慢と幻滅”、“つまらない人工的なものに夢中になること”に対する“解毒剤”になるともいっています。
私は、「感じるこころ」は、学び、人間関係、人生、全ての基礎になる子どもたちの生きる土壌だと思っています。
自然の中に子どもたちと出かけるとなると、自然のことを子どもに教えられる様、よく知っておかなくては!と思われている方が多いように感じます。
例えば、子どもと綺麗な空を見て、
「空は何で青いの?」
と聞かれた時、大人として答えられなきゃという気持ちになりませんか?
しかし、答えを与えてあげられるのもよいですが、それが全てではないと思います。
大人だって、知らないことあるんだ、と子どもが知るのも良い学びです。
「なんでかなぁ?」
と、子どもとただ、一緒に“わくわくしたり”、不思議を“感じたり”してあげることが大事。
子どもたちと感動を分かち合うことこそ、子どもたちにとっては嬉しく、心が育つ時間。
親子で土壌を豊かに耕しあえる時間ではないでしょうか。
心地良いこれからの季節、
是非みなさんも子ども達と一緒に歩いて、ただ気持ちよく心を開いて、沢山の“不思議”や“なるほど!”を感じてみてくださいね。
文責・写真 : スタッフ 永徳、芝田、NPO法人ころあい自然楽校
ころあい自然楽校 詳細
正式名称:
NPO法人 ころあい自然楽校(しぜんがっこうと読みます)
住所:
加古郡稲美町加古
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