毎週、てくてくひめじ界隈で得意な分野を持つ方々にコラムを書いていただくコーナー「かきくけコラム」。
小さなころから本好きで、常に本を持ち歩く子供だったという姫路在住のイラストレーター、赤松かおりさんによる、大人になってからこそ読みたい子供の本、「大人にも響く子どもの本」はじまりますー。
第36の発見 食材を大切に食べたい人へ:『しらすどん』2021
<あらすじ>
しらすどんを食べたあと、一匹だけしらすを残してしまった少年。
「まだあるよ」と残したしらすに呼び止められ、気づくと自分の体がしらすと入れ替わり、釜茹でされ、残され、焼却場で焼かれ・・・。
<心に響く言葉>
「じぶんが しらすだったらって、かんがえたこと ある?」
―『しらすどん』p7、最勝寺朋子 作・絵 2021、岩崎書店
食材の運命を追体験するという食育絵本なのですが、ホラーとしても十分通用すると思います。
読んでいる間、ずっと脳内で「世にも奇妙な物語」の音楽が流れていました。
「はい だけが のこりました。」
「だんだん いきが できなくなりました。」
とか、淡々とした語り口がじわじわと恐怖を掻き立てます。
ごみに出されるのも怖い。
誕生から廃棄まで、しらすがたどる運命を見せられたことで、私は「今後大事に食材を食べよう!」と強く思いましたが、なにしろインパクトが強烈なので読んだお子さんがトラウマにならないか少し心配です・・・。
文責:赤松かおり
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