不定期で、てくてくひめじ界隈で得意な分野を持つ方々にコラムを書いていただくコーナー「かきくけコラム」。
小さなころから本好きで、常に本を持ち歩く子供だったという播磨出身のイラストレーター、赤松かおりさんによる、大人になってからこそ読みたい子供の本、「大人にも響く子どもの本」はじまりますー。
第53の発見:園芸をはじめてみたい人へ『庭をつくろう!』(2015)
9月は園芸がしたくなる本をご紹介します。
<あらすじ>
バンジャマンが引っ越してきた家には、ひろい庭がありました。
でも、ながいこと空き家だったので、
庭はあれほうだい。
まるでジャングルみたい。
すてきな庭をつくるにはどうしたらいいのかな?
<心に響く言葉>
キャロリーヌは はじめて ラディッシュを
しゅうかくして、うれしそうに声をあげた。
「見て、すごく大きいよ!」―『庭をつくろう!』p76、ゲルダ・ミューラー作 2015、あすなろ書房
昔は全く園芸や野菜づくりなど興味がなく、
趣味で畑をしている親をみて、暑くて草引きや水やりとかめんどくさいのに、よくできるな…と思っていた側だったのに、
最近ベランダでミニトマトやピーマンを育てだしてから、急に園芸にわきました。
自分で作ったトマトやピーマンは、小さくていびつです。
小さくても、固くても、工夫して料理してできるだけ食べました。時々、おいしくできたときはとても嬉しかったです。
今まで、スーパーなどでプロがつくった野菜を買ってきては「良い野菜だからおいしいのだろう」となんとなく思いながら食べていましたが、同じ種で育てても、自分で手をかけて育てると本当にまったく違うというのが、体感的にわかりました。
実際、スーパーの野菜のほうが綺麗で味も良いのですが、不恰好でまずくても「うちの子」のほうがかわいい、いとおしいという情が入ってくるのかもしれません。
私も含め年を取ると園芸や野菜づくりにハマリだす人が多いのも、わかる気がしました。
この絵本は、一年にわたる庭づくり、野菜づくりの細かいディテールが、美しい絵と一緒に描かれていて、園芸の楽しみを教えてくれます。
眺めているだけでも楽しいですし、同じ植物を育ててみるのも面白いと思います。
少し涼しくなってきた9月に園芸をはじめてみたい人におすすめしたい絵本です。
文責:赤松かおり
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