teeda cafe からバトンをうけた。音楽家のIsaGuitarraです。
僕は同じバンドのメンバーで、バンスリー、尺八奏者のmanabu 氏につなげます。
紹介リレーでは、バトンを渡され紹介された人やお店などが、オススメする人やお店を紹介してバトンを渡し、そしてそのバトンを渡された人やお店が次に…
とリレー形式で人やお店を紹介していきます。
バンスリー/尺八奏者 manabu
まずは自己紹介とmanabuの笛との始めての出会いをおしえてくださいな
インドの横笛バーンスリー、虚無僧の吹いた地無し尺八、日本の横笛の篠笛を製作・演奏している松本学です。
Sangefluteという屋号で、姫路の山里で竹笛を作っています。
Sangeはチベット語で仏陀、贅沢にも仏陀の笛という意味です。
竹笛は仏教と関わりが強く、修行の道具としても使われてきました。
竹笛を吹くと、呼吸と共にその音に心を集中していると、自然といつの間にか細かい想いは消え、今を生きる自分のみが在る状態になっていきます。
不思議ですが、これが仏教の空の思想と重なるのかもしれません。
迷いの多かった自分には、笛との出会いは本当に救いでした。
自分は何をしたいのか悩み旅した十代に、竹笛に出会い森の中で奏で始めました。
一人森の中で。
とても恥ずかしくて人前で吹けなかったのです。
でも今までどのようにこの自然の美しさを表現出来るかと悩んできたのが、笛を吹くことでその自然に溶け込み一体となることが出来て表現する必要すらなくな
り、ただ幸せを味わうようになりました。
これは自然と繋がる道具のようなものなのかも。
いつも、バンドSANDHYAの時に、manabuの旅の話をたくさん聞いて、とてもすてきで貴重な経験をたくさん重ねてるのだなと思ってたのだけど。
その旅の中でいつも話題になるのが、ひととの出会いというか、笛をとおして出会って来た人や感じていること考えていること。
その経験について、教えてくれないかな?
師匠との出会い
タイで出会った竹笛に夢中になった僕は、友達から屋久島にすごい笛職人がいることを聞き、早速訪ねました。
師匠は森の中で、電気もガスも水道もない囲炉裏暮らし。
他の生き物と境界のない生き方。
ここで聴いた地無し尺八の音が自分の中に雷を落としました。
生きることの中で、言葉にならない深い想いが音に込められると直感したのです。
師匠に笛の吹き方と、作り方、火の暮らしを、それは生きるということを教えてもらいました。
求める音
本格的に吹き始めると、自分の心に流れてる音を笛に託せないこと技術がないことがもどかしくなってきました。
それからは禅寺の虚無僧尺八を習いにいったり、インドの人間国宝の演奏家に習いにいったりしながら今も学びは続いていています。
というより、どんどん広く深くなっていって先はいつまでも見えませんが、そんな終わりのない学びに出会えて幸せです。
でも原点はいつも森の中です。
manabuの笛は、いつも自然を感じさせるなって思ってて、尺八を吹くからといって、ただ『和』というわけでもなく、バンスリーだからインドやネパールなのかといえばかならずしもそうではない。
どこを切ってもmanabuの音。
それぞれの国柄の音のムードは持っているけれども、どこかその音の中に自然そのものを感じる。森、風、水、鳥、空、海、動物達。
ぼくはSANHDYAに曲を書いている身だから、僕の書いたメロディをmanabuが吹くことも多いのだけど、このメロディをこう吹いてくれるのか!って凄く新鮮なおどろきと発見がいつもたくさんあります。
作曲家冥利というか、自分のつくったメロディを風や鳥がいろいろなところに運んでいってくれたとしたらこんなにステキなことはないなといつも感じています。
そんなmanabu氏、姫路の林田で工房を構え、自作の笛の制作をしています最後はその紹介をしてもらいますか?
笛工房
笛工房は山里の中で、周りは森と田んぼしかありません。
セロ弾きのゴーシュに憧れていたので、夜な夜な動物達が音楽を教えに来てくれるのではと期待しながらも、何の動物かわからない声に入って来たらどうしようと夜中ドキドキしてたりもします。
最高の癒しの音は、やっぱり自然です。
だから自分も自然に近づきたい。
そんな楽器を作りたいと願っています。
音をよくするためにケミカルを使うことはもちろん、竹の味を無くすことをしたくありません。
笛は作る時に調律が決まります。
ギターのように後から調律出来ないのです。
だから笛作りが、良い演奏に大きく関わってきます。
インドでは正しい音を一つ一つ大切に並べていけば神様が降りて来て、あとのことはやってくれると聞いたことがあります。
自然の中には無限に音があり決まりはないですが、曲を演奏するためには、調律を頑張らなくては美しい音楽が生まれてこないのですね。
少しでも竹が喜んで全体を響かせてくれるよう力を引き出したいと思いながら作っています。
これから、どんな人と竹の出逢いがあるのかとても楽しみです。
文章:IsaGuitarra、manabu
Isaさん、manabuさん、ありがとうございました!
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未読のページがありましたら、ぜひ。
新しい出会いのきっかけになりますように。