毎週、てくてくひめじ界隈で得意な分野を持つ方々にコラムを書いていただくコーナー「かきくけコラム」。
「陽文庫-アキラブンコ」のみずいけさんと、ブックカフェ・トキシラズの山本さんがかわりばんこにつづる、本にまつわるコラム「ブックブック こんにちは」、25回目はトキシラズ山本さんです。
応援したくなる人・ならない人
すっかり春になって、桜が咲いたなーなんて考えていたら、もうすっかり散ってしまいました。毎年、あっと言うまの花盛りで残念なのですが、じつは、花が散った後の、薄緑色をした葉っぱがニョキニョキと生え揃っていく時期も好きなので、私の中ではまだまだ桜の見頃が続いています。毛虫は多いですけどね。
新緑の新年度ということで、何か新しいことを始める方も多いのではないでしょうか。そんな季節とあってか、トキシラズのお客さんと「応援したくなる人・ならない人」がいる、という話をしました。
なんとなくの結論として、応援したくなる人は、「自信はあるけど自信なさげ」な人なんじゃないかという結論が出ました。自分のやっていること、発信していることがある程度のクオリティであるという自信はある。しかしながら、それが世間に受け入れられるのか、成功するのか、ということになるとてんで自信がない。そんな人には手を差し伸べたくなってくる。「大丈夫だよ!あんたスゲーよ」と言いたくなる。
反対に、応援したくならない人は、「自信ありあり」な人。これはもう「私程度が手を差し伸べる必要ないでしょ?」という気持ちになるからです。一応順列組み合わせしておくと
自分の中の自信→あり 受け入れられる自信→あり 別に応援はしたくない
自分の中の自信→あり 受け入れられる自信→なし 応援したい!
自分の中の自信→なし 受け入れられる自信→あり 口だけ番長
自分の中の自信→なし 受け入れられる自信→なし 何も起こらない
といった感じです。個人的な意見ですので悪しからず。
25のブック
『お父さん、だいじょうぶ?日記』加瀬健太郎
さて、今日ご紹介する本は、加瀬健太郎『お父さん、だいじょうぶ?日記』(リトルモア)。
『お父さん、だいじょうぶ?日記』
発売日: 2017/9/16
著者: 加瀬健太郎
出版社: リトルモア
ページ数: 161ページ
ISBN: 4898154662
加瀬さんは写真家。嫁さんと子供二人(途中から三人)で暮らしています。本書は子供達の写真と日々の雑記的なブログをまとめたものです。写真はどれも秀逸で、決定的瞬間というよりは、見ようによっては決定的瞬間、といった感じ。じっくり見ていると面白さが発見されてきて「この後ろに写り込んでいるのはなんだろう」と考えるうちに、まんまと加瀬ワールドに取り込まれてしまいます。なんとも不思議な作品です。
しかしながら、仕事はあまりない。あんまりないので、必死に餌を運ぶツバメを見るとつらい、嫁さんからもプレッシャーがかかる。営業に行かないといけない、と言っているけど行かないっぽい。このなんとも言えない自信のなさが、私の応援したい!欲をそそっています。というわけで加瀬健太郎をどうぞ宜しくお願いします。
あと、葉加瀬太郎じゃないですよ。お間違えなきように。
文:山本岳史(トキシラズ)
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