毎週、てくてくひめじ界隈で得意な分野を持つ方々にコラムを書いていただくコーナー「かきくけコラム」。
「アルデナイデ農園」、「トマト部」といろいろな活動をされているよこはたほくとさんによる、写真と徒然なのんびりコラム、どうぞお楽しみください。
39の徒然 今年のトマトが熟すころ。
何年になるだろうか。
ぼくが、トマトを育てるようになって。
わからないことだらけの世界で。
たくさんのヒトやモノ、ジカンが繋がった。
初めて触る。
小さなトマトのタネには。
命を守るフワフワの産毛のクッションがあって。
太陽の光を通じて。
心に伝わる柔らかな感触に。
胸をときめかせた。
サツキとメイが。
トトロと木の芽を出したように。
夢だけど夢じゃなかった発芽の瞬間は。
終わらない夏のファンファーレだった。
知る人ぞ知った。
オトナの本気部活、トマト部。
みんなで収穫したトマトで料理をして。
パーティーを開催した。
それぞれの将来を夢見て。
語りあい、笑いあった。
決して忘れることがない。
青春ジャンプの一ページ。
心にかけたサングラス。
誰にも内緒で涙したことは。
いつかなきっとの。
自分との挨拶で。
すべて全部。
いい時間だった。
✳︎
ぼくが好きな映画に。
「旅は思いつきで始まるけど、永遠には続かないものだ。」
というセリフが出てきます。
思い切ったわけでもなく、思い立ったわけでもなく。
瞬きをするくらいの自然な理由で。
何もわからず、土を触る生活がはじまりました。
たまたま作りはじめたトマトを通じて、たくさんの仲間と出会い。
支えてもらいながら。
より美味しい野菜が作れるように。
日々、考えることができました。
ぼく人生において。
全く想像していなかった時間がたくさん流れました。
とてもとても。
幸せでした。
8月に、現在使っている畑が、諸事情あって立ち退きになります。
それとあわせて。
お世話になったこのコラムコーナーも。
卒業しようと思います。
今年のトマトが熟すころ。
ぼくは、次の旅に出ることを決めました。
時間が流れるにつれ。
見える景色も変化して。
目的地も見えないまま。
また、いろんな流れに身をまかせてみようと思います。
お弁当さげて。
ちょっとそこまで。
行ってきます。
次回のコラムが最終回です。
もう少しだけ。
おつきあいください。
第39回目のコラム。
おわり。
文責:よこはたほくと
http://www.arudenaide.com/