かきくけコラム :「本をめとらば…」02

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毎週、てくてくひめじ界隈で得意な分野を持つ方々にコラムを書いていただくコーナー「かきくけコラム」。
かきくけコラム:https://tekuteku-himeji.com/archives/3748

本が大好きな「陽文庫-アキラブンコ」のみずいけさんに、本についてのあれこれをご紹介いただく2回目です。

本に求めるもの

第2回目になりました。

突然ですが、みなさんは読書や本に何を求めますか?

もはや読書しません、スマホやFacebookからの情報のみという方も多いかもしれませんが、僕が思うには、自分が糞でも味噌でも本だけは何も言わずに相手をしてくれる。そういうところがステキなんじゃないかなぁと。

誰も相手にしてくれなくても、本は自分が近づいていけば、必ず自分と相手をしてくれる。太宰治とか芥川龍之介とか、草間彌生みたいな人と友達になりたい、でも周りにはそんな人いない・・・と思ってる人でも著作は自分と向き合ってくれます。自分はあんまり周囲と馴染めないな〜とか、1人ぼっちだ〜という人でも、本はあなたと、どんなときでも、どんなタイミングでも、いつでもどこでも相手をしてくれる。

勉強のため、教養を深めるため、エンターテイメントを読んで純粋に楽しかった!面白かった!というのもあるかと思いますが、世界にもう1人いるかもしれない、自分の分身を探す旅をすることも楽しいかもしれません。分身を見つけたらきっと安心すると思うし、生きていけるかも〜と思えるかもしれません。

ちなみに若かりし頃、僕はずっと「自分がもう1人いればいいのにな〜」と思ってました。洋服を買いに行くのも、部屋でぐだぐだ喋るのも、夜寝る前に電話するのも自分としたい、と。かなり変で、きもち悪い話ですが、10年前くらいは結構まじで思ってました。

今では自分自身に対して全く信頼を置いてないので、もう1人の自分と友達になりたいとは全く思わなくなってしまいましたが…

お友達を探す旅。本でありましたね。タイトルだけ。「ぼくを探しに」という本。ちなみに読んだことないので、今のこの文脈通りの本かは全くわからないのですが。

自分探しウンヌンカンヌンの話は特に好きでもないのですが、裏返していうと、自分とはなんぞや?とかいう、オトナになって忘年会(ちょうど今の時期!)で言ったりすると、自分でポッと頰を赤らめてしまうような、小哲学的な問いがなければ、読書はしなくてもよいのかもしれません。極端にいうとそれ以外の本は、何を読んでも実用書の分類になるのかも、と。

というわけで、本の紹介はできずに終わってしまいそうです(´・_・`)

では、ちょっとだけ・・・

恋人はサンタクロー・・・クリスマスを意識して・・・という余裕もなく、前から考えていた、岡田あーみんの「お父さんは心配症」と、最相葉月さんの「仕事の手帳」を紹介したいと思います。

02の本 -1「お父さんは心配症」岡田あーみん

発売日: 1985年11月08日
著者/編集: 岡田あーみん
出版社: 集英社
サイズ: コミック
ISBNコード: 9784088533513

「お父さんは心配症」は、読めば心がほっこりする本です。
極端すぎる父親が中学生の娘を心配するあまり、年頃娘が嫌がるような極端な行動をとりまくるという、りぼんで掲載された漫画です。全6巻です。(アマゾンで調べたら”クリスマスイブまでにお届け”とありました。アマゾンちょっといいなと思ってしまいました。)

やはり男性は親であれ、彼氏であれ、友達であれ、(全て女性から見て)ある程度ややこしくて面倒くさい存在じゃないと(僕の中では、通称ヤヤコシ村の1人村長と呼んでいます)、意味がないと。どれだけそれに付き合えるかが女性の力量というか、人生の醍醐味ではないかと。

というわけで、また良かったら読んでみてください。小心者やけど、プライドは高く、無鉄砲な男の姿がそこにはあると思います。

02の本 -2「仕事の手帳」最相葉月

発売日: 2014年04月
著者/編集: 最相葉月
出版社: 日本経済新聞出版社
サイズ: 単行本
ページ数: 228p
ISBNコード: 9784532169275

最相さんは、これだけ状況と自分を俯瞰的に捉えられるのかー、どんだけひいた目線で物事を見れるのだーと思わせる人です。

ノンフィクションライター(ちなみに、ご本人はノンフィクションライターとは名乗ってなくて、名刺にも”最相葉月”という名前だけで肩書きはなし。私は”作家”ではなく”文筆業”とのこと)で、もちろん取り上げる素材自体も、魅力あるものが多いのですが、読後感としては、最相さんの人間性がぷっくり?ぽっこり?何よりも浮き出てくるという。

引き加減が美しくて、彼女の他の著書も自然に読みたくなります。あと著書で紹介されている、他の著者のいろんな本も。

「仕事の手帳」は、最相さんのライター稼業にまつわる覚え書きの本です。ライター稼業の指南書でもあり、最相さんの小自伝的な本にもなっていると思います。

目次を少し紹介
◯いくらで働きますか
◯上手に催促できますか
◯うまく感想がいえますか
◯パーティーは得意ですか
◯どこまで相手に任せられますか
◯書かないでほしいといわれたら

目次の一部を抜粋したものですが、僕は「パーティーは得意ですか」が好きです。抜粋した目次からも最相さんの控え目な人間性が垣間見られます。


紹介した2点とも、読後感が良いので、これからの寒い冬休みには良い本だと思います。

どちらも、「陽文庫」として、現在、あさのは商店さんにあります。貸し出しもできます。
あさのは商店 http://www.asanoha.net/

なお、伊伝居のパーランドコーヒーさんでも棚を借りて、陽文庫を展開中です(貸し出しは現在なし)。
パーランドコーヒー http://www.cafe-parland.com/

来月はもうちょっとふざけて書こうと思います。おもしろタイトル、おもしろ出版社名、または僕の自作の駄洒落を用意して、新年を迎えたいと思っています。

みなさんアケマでオバマ。(昔、オバマ大統領が就任したときに年賀状に書きまくってたのですが、全く流行りませんでした。チーン…)

ではでは〜

文:みずいけあきら(陽文庫)
Facebook 陽文庫-アキラブンコ

あさのは商店

あさのは商店

姫路生まれ・姫路そだち。姫路→大阪→徳島→姫路。
肌の弱い自分が必要なものを近くで買えるとうれしいなーと、肌にやさしい日用品「あさのは商店」をしています。
趣味は、ウクレレ・縫い物・言葉の観察など。

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