毎週、てくてくひめじ界隈で得意な分野を持つ方々にコラムを書いていただくコーナー「かきくけコラム」。
小さなころから本好きで、常に本を持ち歩く子供だったという姫路在住のイラストレーター、赤松かおりさんによる、大人になってからこそ読みたい子供の本、「大人にも響く子どもの本」はじまりますー。
第38の発見 不安になってしまう人へ:『かいじゅうたちはこうやってピンチをのりきった』2021
7月は不安になってしまう人のための絵本をご紹介します。
<あらすじ>
高いところが苦手、注射が苦手、人前で話すのが苦手、暗いところが苦手。
4匹のかいじゅうたちは、羽をはやしたり、硬くなったり、人を吹き飛ばしたりしてピンチをのりきる。
だけどそれは逃げただけ?
<心に響く言葉>
「こわいものってきりがないなあ」ガラーブがいった。
「ぼく くらくらしちゃったよ」パルリラがいった。
「だからさ ゾワゾワちゃんをみつけたら、むりに おいだしたりしないで
なかよくなれば いいんだよ。ゾワゾワちゃんは きっと
みんなの いい あいぼうになるよ」ゾワゾワキングが いった。―『かいじゅうたちはこうやってピンチをのりきった』p37、新井洋行 作・絵 2021、パイインターナショナル
この絵本では、不安を感じたときに現れる「ゾワゾワちゃん」と向き合い、仲良くすることをアドバイスしています。
不安な気持ちは、逃げると余計大きくなって、手がつけられなくなってしまうことがあります。
だから自分の限界をはかりながら上手につきあっていくのがいいそう。
誰でも不安はあります。
けれど「どうして不安に感じるんだろう」と考え、不安なことがおこらないように
準備したり、おこってもやり過ごせるように行動するきっかけにもなります。
不安をむりやり感じないふりをして何もしないでいたら、その通りになるかもしれません。
しかし不安と向き合うことで、未来は変わることもあります。
だから、できれば不安=ゾワゾワちゃんが小さなうちに仲良くしよう、と教えてくれる絵本です。
文責:赤松かおり
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