姫路初、靴磨き専門店 [磨き座 継-HERITAGE-]さんが、姫路駅からすぐのおみぞ筋商店街に、8月1日OPENされました。
2020年に開催された第三回となる[靴磨き日本選手権2020]では兵庫県唯一のセミファイナリストに。
料理人として活躍していた西岡さんが靴磨きを初め、店舗をOPENするまで。
なんともここまでも波瀾万丈ドラマチックな人生でしたが、夢は終わらず大きな目標に今も突き進んでいらっしゃいます。
靴磨きの世界へ
学校卒業後、イタリア料理の店へ。
尊敬する先輩料理人の影響もあり、料理が天職だと思えるほど打ち込み「料理を一生続けていくのだ」と漠然と感じていたそうです。
大阪で東京で。
高級店からカフェへまで、経験を積まれました。
およそ10年ほど料理の世界に身をおかれていましたが、家族の体調の都合などもあり姫路へと移住することとなります。
30歳頃のことです。
それまではまったく [靴] とは関係のない生活でした。
このまま料理を続けていくことに、ちょうど小さな疑問が生じていた時期でもあり、姫路では家業でもあった靴店を手伝ってみることに。
まだ履けるのに廃棄されてしまう靴が多く「修理してみてはどうだろうか」と思い立ち、いろいろと情報を集めはじめました。
そんな時です。
修理店ではありませんでしたが、大阪にカウンター式の靴磨き専門店があることを知り、少し興味もあったため行ってみることに。
職人の技。
目の前で磨かれていく靴。
感動を覚え「これだ!」と感じたそうです。
働いていた靴店では、新しい靴を購入するときに廃棄となる靴がでていたため、それからはひたすら、ただただ独学でそれらを磨いて練習する日々でした。
[磨き座 継 -HERITAGE-] OPENへ
やがて働いていた靴店を退職することに。
すでに靴磨きの道へ進むことを決めていた西岡さんは、姫路や大阪などの店舗の一部を間借りしたり、路上などで本格的に靴磨きをスタートされました。
しかし当時はそれだけでは生計を立てることは厳しく、大阪のダイニングバーで掛け持ちで働いたりと朝から夜まで、働き通しの忙しい日々。
ですが、とても充実していたといいます。
もしも靴磨き専門店に就職し、一スタッフとして働いていたとしたら得られなかった感覚。
専門店であれば毎日靴を磨いてもらうため、お客さんが、靴が店にやってきます。
しかし路上での靴磨きはそうはいきません。
靴を磨くことは、生活にとって決して必須ではないからです。
だからこそ、お金を払って靴を磨こうと思ってもらうこと。
これがとても難しいことであることを、路上で靴磨きをすることで、身を持って知ることができました。
靴磨き後は「また磨いてほしい」と信頼を得る、その繰り返しがとても大事な行為です。
お金を払い靴を磨いてもらう行為は、当たり前のことではない特別なこと。
路上で苦労したからこそ、得たものはたくさんあり、この経験は今も掛け替えのないものとなっています。
2018年には第一回目となる[靴磨き日本選手権]が開催。
ちょうどそのころ、靴磨きの業界は活気を帯びてきていたころでもありました。
たくさんの靴を、いろいろな場所で磨き経験も積み自信もついてきた2019年のことです。
2回目[靴磨き選手権]に出場することに。
しかし、まさかの予選敗退…
自信があっただけにショックもありましたが、元来負けず嫌いの西岡さん。
ますます技術の向上に励むこととなります。
そして2020年の3回目[靴磨き日本選手権2020]。
予選を勝ち抜き、無名の状態からいきなり兵庫唯一のセミファイナリストに。
それを機に一気に知名度も上昇し、いろいろなところから声もかかるようになりました。
追い風が吹き「靴磨き職人としてやっていける! 」と肌で感覚で感じ取ることができました。
兵庫一と呼ばれるようになった。
でもまだ路上で磨いている。
それでは夢がない。靴磨きの専門店がつくりたい。
靴磨き職人になりたいと思う人に、道を示したい。
ついに実店舗を姫路にOPENすることを決め、磨き座 継 -HERITAGE- を2020年8月1日にOPENされました。