毎週、てくてくひめじ界隈で得意な分野を持つ方々にコラムを書いていただくコーナー「かきくけコラム」。
1年に何度かある「第5週目」の水曜日にだけそっとていねいにつづられる、宮下ひろみさんの本についてのコラム「五週目のほんばこ」の15回目です。
15個めのほんばこ|『雪の上のなぞのあしあと』あべ弘士・さく(福音館書店)
みなさん、こんにちは。
寒いですね!
というわけで、今回ご紹介するのは
真冬の動物園で起こったミステリー!?
「雪の上のなぞのあしあと」
あべ弘士さく
福音館書店(かがくのとも傑作集)
1997
です。
舞台は日本で一番寒いところにある動物園。冬のあいだは休園しているが、飼育係の「ぼく」は毎日大忙しだ。
ある宿直の夜、いつものように動物たちの見まわりに行った。
ゆっくり食事をしているゾウ、くっついて眠っている親子カバ、仲良く寄り添うキリンの夫婦、ゴリラ、やまあらし、ヨタカ、他の動物たちも元気にすごしている。
外に出て、静かに広がる雪の上を歩いていた時だ。
おや?なんだ?今までみたこともない不思議なあとがある!
小さなブルドーザーのようなあとは、園内をぐるぐると踊りまわるように続いている。
何ものかが園内に忍びこんだのか、逃げ出した動物がいるのか?
急いで宿直室へ戻り「足あと図鑑」を調べるもわからない。
仲間の応援を呼んで、一緒にあとを追ってみると、ようやく見つけた!
降り積もった雪で埋もれた柵を乗り越えて、真夜中の散歩を楽しんでいたそのいきものとは‥
あとは実際に読んでみてくださいね。
繰り返し読んでいるのに、謎解きのどきどきが楽しいのか、娘は飼育係が足あとを見つけ「な、なんだ!このあとは!」と叫ぶところで毎回ゲラゲラ笑っています。
動物園の舞台裏を見ることもできるとても楽しい絵本です。
冬休みにぜひどうぞ!
文:宮下ひろみ