記憶に刻まれる焼菓子を[ 菓子刻 かしどき ]| 姫路

菓子刻 かしどき

「刻」という文字について調べてみると
ほりつける。きざむ。
というものが多くでてきました。

幼いころの、学生時代のお菓子の記憶。
その記憶は鮮やかに刻み込まれ、今に続いています。

菓子刻(かしどき)さんにお話をお伺いいたしました。

刻まれたお菓子の記憶

幼少期より身内が飲食に関わる仕事であったこともあり、いろいろなジャンルの食に触れる機会がありました。

そんな中でも特に大好きだったのがケーキ。
小学生のころから近くのケーキ屋さんに通い、友達とケーキ会を行う少年でした。

そして高校時代に初めて作ったスポンジ生地。
焼き上がる姿と香り、カスタードクリームを挟んで食べたときの感動は忘れることができません。

必然のように製菓学校へ進み、よりお菓子を知りたい、いろんなお菓子を食べてみたいと、たくさんのお菓子屋へ足を運び、それはやがて「何かを作る仕事がしたい」という確信へと変わります。

製菓学校卒業後、神戸の有名パティスリー トゥーストゥースへ入社し、販売員、接客業、菓子製造を経験。
接客に興味を覚え、他業種であるadidasで接客業につきましたが、スタッフの誕生日のケーキをつくったときに「こんなお菓子が作れるのに勿体ない、もう一度お菓子の世界に戻った方がいい」と当時の上司から助言をうけます。時期同じくして三重で菓子職人として活躍する先輩から声がかかったことを機に、菓子業界へ復帰。

総合リゾートであった三重県の施設では、洋菓子だけでなく、製パン、和食、洋食と様々な部署の人との関わりがあり、店舗運営、スタッフ育成、焼き菓子の開発など、多くのことを学びました。

在職中兵庫に戻った際、お世話になっていた方が自分の焼菓子店をOPENされとても活き活きとしている姿に感動し、「自分らしいお菓子を。人と関わりたい」という思いは強くなり、自身のブランドで焼き菓子屋として活動していく事を決意。

「いつか自分の店を」という思いは漠然とした夢から、現実のものへ。
2022年10月に「菓子刻」として活動をスタートされました。

菓子刻のお菓子

菓子刻 かしどき
焼き菓子といっても、種類はさまざま。

これまでのお菓子作りで、感動し強く印象に残っていたのは、トゥーストゥース時代のショーケースや売り場にぎっしりと並ぶクラシックなフランス菓子。
伝統菓子や郷土菓子作りの楽しみや奥深さが、しっかりと刻み込まれていました。

他の国や地方のお菓子を菓子刻らしく作ることが、菓子刻のメインコンセプトになっています。

菓子刻 かしどき

世界の素晴らしいお菓子を基軸に、季節や旬の食材などで新しく菓子刻として解釈したお菓子。
そしてたくさんの方に親しまれている、レモンケーキ、バナナケーキ、ブラウニーなどのお菓子も、菓子刻として手をかけて。

すべてのお菓子が、菓子刻らしいお菓子となっています。

素材はできるだけ地産地消。
強く卵を感じるお菓子には播州地卵、塩は赤穂塩。
バター・砂糖・粉など多く使うものは北海道や沖縄、海外のものでも丁寧に作られたものを使うようにされています。

林檎タルトやキャロットケーキなど、味に直結する野菜や果物は、全国の農家さんから取り寄せて。

大切につくられた素材で丁寧にお菓子をつくる。
作り手とお客様との繋がりを大事にする。
仕入れや販売のときにも、会話に花が咲くように心掛けていらっしゃるそうです。

菓子刻 人気の焼菓子 紹介

菓子刻 かしどき
現在は店舗がないため、イベントでの出店となりますが、出店すれば常に人が絶えない菓子刻さんのお菓子たち。
その中でも人気のお菓子についてきいてみました。

●クロワッサンダマンド
作り方、味に衝撃を受けた、トゥーストゥース時代の思い出菓子。
ラム酒に漬けこんだクロワッサンに、アーモンドクリームを挟んで焼き、ラム酒の糖衣で飾る。
大人な印象があるかもしれませんが、一口食べたときの美味しさをぜひ!

●ガトーナンテ
アーモンドたっぷりの生地に、こちらもラム酒の糖衣で仕上げ。 しっとりさとラム酒のいい香りが口に広がる、フランス ナント地方の郷土菓子。
こちらはラム酒がしっかり、でもその美味しさは他の焼き菓子にはない美味しさ。

実店舗OPENに向けて

24年秋の実店舗OPENを目標とし、地元姫路で現在準備を進めていらっしゃいます。

お菓子を好きになってもらいたい。
お菓子屋さんで働いてみたい、なりたい。

そんなお菓子で繋がる、広がる、人と人の流れの中心になる焼き菓子屋さんを姫路で。
地元から様々な国の焼菓子を発信していきたいという思いで、姫路での活動を決められました。

実店舗では
「焼き立て菓子、ギフト菓子などを新鮮なうちに食べる事ができる、 様々なお菓子が焼き上がり、いい香りのするお店がしたい」
という構想があります。

お菓子を製造販売する場所としてだけではなく、交流の場所、憩いの場所にしていきたい。
それぞれの道を極めている方々をお呼びして焼き菓子と一緒に食べていただいたり、 作家さんの個展、イベントの開催、 お菓子教室も行いたい。
「ふらっと寄ったら、つい食べたくなるからお茶していこう」と、ゆくゆくはイートインもできるように。
など、開店前からやりたいことが、すでに盛りだくさんです。

「刻」の文字に込めた想い

お菓子の材料となるものを、作ってくれる人がいる。
一緒に作り、販売してくれる人がいる。
そしてそれを買ってくれるお客様、そこからまた新たな繋がりを。

お菓子がおいしいのはもちろん大事なことですが、人と人との繋がりを大切にした活動を常に心がけていらっしゃるのを、お話を聞いていて強く感じました。

菓子刻という屋号、「刻」の文字には
焼き菓子のおいしい思い出を心に刻んでほしい。
お菓子と共に時を刻んでほしい。
という願いがこめられています。

菓子刻 かしどき

菓子刻の活動はまだはじまったばかり。

さらに未来では、古民家を回収したデザートの食べられるカフェレストランや、海外渡航者の多い姫路で日本の伝統を伝えることができる和菓子屋さん運営にも関わってみたいと夢はつきません。
自身で栽培した農作物をお菓子に使ったり、販売できるような農園の経営にも興味があるとのことです。

ケーキが大好きだった少年は、地元姫路に焼菓子のお店を来秋OPEN予定です。

おいしいお菓子の記憶は、今も強く心に。
菓子刻が、誰かの胸に刻まれるようなおいしい菓子を。
お子さんが一人でもこれるような、また来たい と思うようなあったかい雰囲気のお店にしていきたい。

菓子刻さんのお菓子を食べた子どもたちが、また姫路にいずれお店をOPENする日が来るかもしれませんね。

【これからの活動予定】
最新情報はinstagramにて
https://www.instagram.com/kashidoki_99/

2023年
11月12日 ひめじ基地さん 出店
11月19日 野里朝マルシェ、KUUHAKU COFFEE 出店
11月24日 千代治の靴下さん 出店(加古川)
12月9日 TABLEさんにてイベント菓子提供(大阪城北)
12月15日 姫路betaさん LIVE菓子販売
12月17日 てくてくWEEK6 出店

OTETEお手伝い

OTETEお手伝い

2011の震災で東京→姫路に自主避難。姫路生活も長くなってきたが、まだまだ知らないことばかりで情報収集中。美味しいものを食べることが大好き。でも震災後は安全であることも大事に。偏愛主義者。WEBや印刷物の制作をお手伝いする「OTETEお手伝い」を運営中。

好き:カレー(スパイス料理)、パクチー、アート、音楽、手作りすること

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