毎週、てくてくひめじ界隈で得意な分野を持つ方々にコラムを書いていただくコーナー「かきくけコラム」。
「懐かしい未来」をキーワードに、豊かな暮らしや生き方を模索する、いまいみきさんのコラムです。
第22回目「懐かしい未来へ」
先日、娘と庭にタネを蒔きました。
ちいさなタネのなかに含まれる命のエネルギー。
一粒ずつ、土に還し、土のうえのタネにそっと土をかける。
そのあとは天から雨が降ってきて、
わたしたちは、お水をあげてくれる空に感謝する。
庭を観察していると、たくさんの植物が共生している様子をみることができる。
そこには小さな花を咲かせていたり、実ができていたり。
そのそばで枯れて土に還っていく植物がいる。
彼らはそこでしっかり根をはり、命を全うし、いまを生きている。
水をあげたり観察したり、そんな毎日を繰り返していると
ある日、ちいさな芽が大地から顔をだした。
それらをじっと眺めている娘。
彼女はここから何を感じ、何を学ぶのだろう。
わたしは何も言わずに、ただ彼女の様子を眺めている。
わたしが伝えるより、きっと自然界が彼女に伝えてくれるほうが美しい。
心地よい暮らしって?豊かな暮らしって?暮らしの在り方に目を向け、本当のしあわせを追求しながら、これからの未来、なにを選択し、どう生きるのか?
そんな問いを第1回目に書きました。その追求は、今も変わらず続いています。
これまで、いま活動している「かつらぎ自然のまなび舎」の様子や、旅のなかで感じた様子を綴ってきました。いろんな生き方を選択できる自由な時代のなかで、真剣に地道にゆっくりと、次の世代のために今できることはなんだろう?と模索しながら生きているひとたちがいました。彼らから感じる穏やかなエネルギー。いまを生きるなかで、忘れてはいけない大切なものを、わたしは彼らから日々学んでいます。
どんな選択をしても、正解か不正解かそれは分からないし、そんなものは元々ないのでは?とさえ最近は思えてきます。いま、わたしたちにできること。タネを蒔き、育てること。それは畑のみならず、自分の行動にも置き換えられること。それらをていねいに暮らしのなかで積み重ねていくことが次につながるのではと感じています。
その大切さを教えてくれる自然界や、となりにいる娘を眺めながら、彼らにいまわたしができることを・・・大切なフィールドを守り残していくために、わたしは次に進もうと思い、今回でこのコラムをいったん一区切りにさせていただきます。
この2年間、文章を書くという挑戦は、わたしにとって様々な学びの連続でした。声をかけてくれた友人や仲間がいたから、ここまで続けることができました。感謝の気持ちでいっぱいです。支えてくれた皆さま、拙い文章を読んでくださった皆さま、編集者のみなさま、今まで本当にありがとうございました。またいつか、皆さまにお会いできる日を楽しみにしています。ジュレージュレー!
文責:いまいみき
かつらぎ自然のまなび舎
HP:https://katsuragi-manabiya.jimdo.com/
ブログ:http://ameblo.jp/katuragimanabiya/