かきくけコラム :「くらしとしごと」vol.5


毎週、てくてくひめじ界隈で得意な分野を持つ方々にコラムを書いていただくコーナー「かきくけコラム」。

かきくけコラム

みんなの「かきくけコラム」

毎月第3週目のコラム「くらしとしごと」。書いてくださるのは、神河町長谷でコワーキングスペースkajiyanoを運営する山口なおさんです。

第5回 くらしとしごと 「だから古民家は面白い!」

毎月第2土曜日にコワーキングスペースkajiyanoで開催中の「くらしとしごと」のイベントレポートと次回の予定内容について書き綴っていきます。

8月のゲストは、福崎町にある旧小國家オーナーの山田威史さん。新幹線通勤をするサラリーマン生活の中、10年以上前から先祖の残した立派な古民家の活用に東奔西走されています。そんな山田さんの暮らしと仕事、そしてこれからの夢についてお聞きしました。

※7月はイベントをお休みさせていただいたため、コラムもお休みさせていただきました。

山田さんとの出会い

「コワーキング利用したい」とkajiyanoへ電話でお問い合わせがあり、「ぜひどうぞ〜」といつもの通り対応してお迎えしたのが山田さんとの出会いでした。

旧小國家との出会いはもっと前に遡り、7年近く前、友人が旧小國家のイベントで出店すると知り、イベントへ遊びに行ったことがきっかけでした。その頃私も長谷で「古民家リラクゼーションサロン」を営んでいたので、古民家には興味津々で、「こんな素敵な古民家が福崎町にあるんやなぁー!」と思ったのを覚えています。庭もきれいに手入れされていて、家の方からは生ピアノの演奏が流れてきたり、コーヒーのいい匂いがしたり。古民家でのイベントに参加するのは初めてだったのでとても刺激がありました。(今思えば、その後私が長谷の古民家で開催した「あじあの足あと」のイベント開催に結構な影響を及ぼしたのではと今気づきました)

そんな山田さんが、kajiyanoへ度々コワーキングをしに来てくれるように。会う度に山田さんの生い立ちや「ルネサンス旧小國家プロジェクト」の始まり、古民家への愛を少しずつ聞いているうちに、「この話、もっといろんな方が喜ばれるのでは」と山田さんに8月のゲスト出演をお願いすることにしました。

山田さんと古民家

3歳までは京都で過ごしていたという山田さん。それからお母さまの実家である福崎町の旧小國家へ。「小國病院」と繋がっている母屋にお爺さんとお婆さんが暮らしていたそうです。山田さん家族はその裏の北側にある離れの建物で生活していて、昔の記憶といえば「蔵に端材で床を張った程度の場所に机、ベッドが置いてあって、汚くて、ボロボロで・・なんかいい思い出がない」だったそう。

そんな山田さんが自ら古民家に携わることになったのは23~24年前に結婚して家をどうするか考えた時でした。その汚くてボロボロの離れの蔵をリフォームするか、新築にするか。ハウスメーカーのモデルハウスも見に行ったそうですが、「全部同じような感じで面白くない」と、蔵をリフォームして新居にすることに。2階の床を抜いて開放的にして、「星空を眺められるように」とつけた天窓も。初めて自分で描いた家が形になり、「古いものって飽きない」と、古民家の面白さを知ったそうです。

当時、友人で工務店の社長さんに古民家の改修をお願いしたそうですが、「これやったらもう最後。ずっと手を入れ続けなあかんで」と言われたそうです(笑)。その予言どおり、そこから山田さんの古民家人生が始まることになるのでした。

「ルネサンス旧小國家プロジェクト」の始まり

旧小國家は旧家で明治4 年の播但一揆の首謀者として処刑された小國鐡十郎の生家であり、また明治から昭和にかけて診療所として地域の医療に貢献した小國積治(せきじ)の生家でもあります。そんな母屋は築418年とも(残念ながら棟札は行方不明)。

2004年、台風で旧小國家の象徴とも言える長屋門の屋根が大きな被害を受けました。長屋門の取り壊しを検討するも、ある日お母様が福崎町の教育委員会とヘリテージマネージャーの方を連れてこられ、国指定登録文化財をする流れに。山田さんも長屋門を取り壊した後のイメージができなかったそうで、いろんな方の声を聞く内に長屋門を活用して残すことを決意。「活用して家計に迷惑をかけないようにする!」と奥さんを説得し修復されたそうです。

長屋門を直したものの、どう活用したらいいのだろうと頭を抱えていた山田さん。2011年、そんな中出会ったのがのちのキーマン「ひめじRe店舗」の浦さんでした。浦さんと二人三脚で「ルネサンス旧小國プロジェクト」を立ち上げ、お片づけワークショップ、古家具市、ミニコンサートなど旧小國家を使ったイベントを数々開催。地域の方にもたくさん来ていただき驚いたそうです。中でも定期的に行なわれている土壁ワークショップは女性に人気だそうです。「若い人と女の人は発想が面白く、苦行を楽しくしてくれる」。山田さんは幾度となく、女性の柔らかな発想力に助けられてきたそうです。

旧小國家の今とこれからの夢

現在は長屋門に「農家のごはん ことほぎ」さん、診療所部分を「シェアサロン つばめ野」さんが入られています。ことほぎさんは先日NHKの人気番組「ふるカフェ系 ハルさんの休日」にご出演!とても楽しく拝見しました。

↓ふるカフェ系 ハルさんの休日〜兵庫・福崎町~門の中にある?恩返しカフェ〜
https://www4.nhk.or.jp/furucafe/x/2019-06-06/31/15899/1973071/

山田さんは古民家好きの方に2つの共通点を見つけました。一つ目はオーガニック等の体に良いことを考えている人が多い。二つ目はいい人が多い。この日山田さんの話を聞きに集まった方々の顔を見回してみて、なるほどと思いました。

これからの夢は母屋を宿泊や結婚式ができるような場所にすること。誰かに貸すというのは自分のものであって自分のものでなくなる。「母屋は特別」。古い家に生まれ育っていない私でもなんだかその思いはわかるような気がします。「実現できるかわからないけど、言ったほうが実現できるんじゃないかと思って」。

今までも困難が立ちはだかった時は必ずといって良いほど助けてくれる人が現れたと言います。歴史ある場所を維持して残していくのは大変なこと。前向きに挑戦していく山田さんの姿に、先祖の方々がきっと力を貸してくれているのだろうと思いました。これからもきっと変化し続ける旧小國家の未来が楽しみです。

●次回のお知らせ #9●

9/14(土) ゲストは「Keep cleen Keep green」を合言葉に姫路で活動しているgreen bird姫路チームリーダーのタケちゃんこと竹尾かおりさん。内容は交渉中です。お楽しみに!

くらしと、しごと。それぞれがどう関わり合い、人生の豊かさにつながっていくのか。ちょっと立ち止まって考えてみるひとときになれば幸いです。

文:山口なお
  @kajiyano
  @kajiyano/谷間の家さんきら
  https://kajiyano.ch/

公開日 : 2019-8-21
最新更新日 : 2019-8-21