毎週、てくてくひめじ界隈で得意な分野を持つ方々にコラムを書いていただくコーナー「かきくけコラム」。
「陽文庫-アキラブンコ」のみずいけさんと、ブックカフェ・トキシラズの山本さんがかわりばんこにつづる、本にまつわるコラム「ブックブック こんにちは」、今回はトキシラズ山本さんです。
53のブック
『女の園の星』和山やま 祥伝社
『女の園の星』
発売日: 2020/07/08
著者: 和山やま 著
出版社: 祥伝社
ページ数: 169ページ
サイズ: A6判
ISBN: 9784396767976
このコラムを担当しているトキシラズ山本と陽文庫は「ブックブックこんにちは」というイベントをやっています。正直に言って、毎回盛り上がっています。
前回は、アニソン大好きシンガー チャン・シンさんにお越しいただき、本の話と歌を披露していただきました。当然盛り上がりました。その前の会では“そらにじひめじ”というコミュニティースペースを運営していらっしゃる方に来ていただき、LGBTQの話と差別についての話を伺いました。やや社会派ですが、面白かったです。
これらは我々二人の類いまれなるトークセンスによって面白くしている、というわけではありません、残念ながら。これは綺麗事でも何でもなく、毎回のゲストの方が面白いからに他なりません。
何でみんなこんなに面白のか? 私が思う面白いゲストの共通点は、本気度が高いところ、いわゆるガチ勢なところです。その度合いが高い人ほど「ブックブックこんにちは」は盛り上がります。ですが、意外とそういったゲストの方は自信なさげなことが多いように思います。おそらく、あまりにも本気度が高く、普段の生活で考えすぎたために、ゲスト的にはいたって普通なこと、日常的なことになっているからではないか、と私は思っています。
ゲストの方としては、「こんな普通のこと話して何か面白いの」と感じてしまうかもしれませんが、私は自信を持っています「大丈夫です!あなたの普通、だいぶ普通じゃ無いですから!」
というわけで今回の本は
和山やま『女の園の星』祥伝社
という漫画です。
この本はものすごく笑えるギャグ漫画です。とはいえ、激しいツッコミや非現実的な展開があるわけではありません。舞台は女子校、主人公の星先生は生徒たちをつかず離れずなスタンスで見守る、どちらかというと目立たない先生。エピソードも、日誌に書かれた絵しりとりを読解しようとする話や、生徒が授業中に描いていた漫画を読んで星先生がアドバイスする話など、どれもありそうといえばありそうな話です。
登場人物たちは普通の日常を、普通にこなしているだけなのですが、はた目(読者)にはこんなに面白い!もはや魔法か?とも思える漫画です。もしかして、私の普通の1日も和山先生の手を持ってすれば、爆笑の1日に仕上げてくれるのでは無いか、普通の日に魔法をかける素晴らしい才能を持った漫画家さんです。
文:山本岳史(トキシラズ)
ブログ ブックカフェ・トキシラズ