毎週、てくてくひめじ界隈で得意な分野を持つ方々にコラムを書いていただくコーナー「かきくけコラム」。
毎月第4週目は、稲美町で森のようちえんと小学部をされている、[ころあい自然楽校]さんが綴る
〇こども
〇教育
〇保育
〇自然育児
をキーワードとしたコラムをお届けしています。
5の学び:毎日、丁寧に紡ぐ保育
初冬のバードウォッチング
すっかり葉を落とした木々たち。あちらの木もこちらの木も裸ん坊。真っ青な初冬の空に、木の枝のシルエットがよく映えます。
荷物置き場横のナンキンハゼの木。小さな白い木の実を落とすのですが、実は子どもたち、この白い実を「歯や!」と言っています(!)。確かにソックリです。
葉を落とした木は、バードウォッチングにもってこい。ナンキンハゼの木に1羽、2羽と鳥がやってきました。「鳥がとまったよー!」息をこらして見ていると…パクっと白い実を加えてくちばしを動かしています。「食べた!」「食べたなぁー。おいしいんかなぁ?」子どもたちが“歯”と呼んでいる白い実をさわってみると、固く食べられそうにはありません…。
「おいしいんかなぁ?白い実って。」子どもたちは不思議顔。
別の日には、カラスが赤い柿の実をくわえて目の前を横切っていくのが見れました。後日、地面には食べられた柿の実がポトリ。「皮だけ残してるね」見つけた子はニヤリ。
遠足の道中では、池のほとりで一休みしているかわいい鴨を見つけたり、保育室での散歩では、鷲とカラスの激しい縄張り争いを見たり。鳥も子どもたちと同じで、ごはん食べたり残したり、ケンカしたりもするんだなぁと微笑ましくなります。
虫や生き物は身をひそめ冬ごもりへ。冬は鳥の観察が楽しそうですね。
ねこがごふくやに
色鬼のわらべうたを紹介して遊びました。歌に出てくる「たび(足袋)は、親指だけ分かれている靴下のことだよ。○○くんが履いてたの見たことあるかな。」「なんもん(何文)は、昔の言葉で何センチ?っていう意味だよ」と、現代の子どもたちに昔の時代背景を伝えながら遊びました。
群れ遊びは、なかなかスムーズに進まないときもあります。まずは“鬼決めをする人を決める”ことから。
「誰が鬼決めする?」一斉に手が挙がります。「じゃんけんなー」そうして鬼決めをする人が決まると、みんな片足を出してようやく鬼決めです。「いろはにほへと…」やっと鬼が決まり、輪になりますが「手を繋ぐのに指一本しか出してくれへん」「手を繋ぎにくいやん」「やっぱりあっちの友達と繋ぎたい~」「始めに決めたらもう動かんといてや」
できるだけその場を流してしまわずに、みんなで話して、お互いの意向を聞いて共有するようにしています。そうしてみんながその場に携わると“楽しい”という共通の想いにつながるかなと思っています。
ようやく始まった色鬼のわらべうた。みんなで走って逃げ回って、たくさん笑って…。「もっかい!もっかいするー!」何回も何回もやりました。
「あー楽しかったぁ!」子どもはもちろんのこと、私自身も心が大満足して清々しい気持ち。日々子どもたちが集い、自分を飾らず素のままで過ごせる素敵な場所。まだまだ子どもたちと多くの時を重ねていきたいです。
あと少し
森で遊ぶ日にちも、もう数えるほど。グランド周りを歩いてゴミ拾いをしました。
「うわーベンチや。懐かしいなぁ!」夏真っ盛りの時に手作り網でセミ採りをしました。あんまり暑くて木陰のベンチで小休憩したのでした。
「葉っぱ落ちちゃったけど、また桜の花が咲くね。」「……俺ら、桜の花見られへん。」年長児の言葉です。もう翌春の状況を見据えているのだと驚きました。「俺、最初泣いとったよなあ。りんちゃん(スタッフ)が橋のところで捕まえてん。」「でもその後から、なんでか泣かへんようになっとってん。」「僕は、親子クラスから来とったー!」
ゴミ袋はいっぱいになり、すっかりきれいになったグランド周り。心にはちょっぴり寂しい風が吹きます。年長児の胸の内は、巣立っていこうとする期待と不安が入り交じっているのでしょうか。
(いつだって応援してるよ。みんな大丈夫!)
子どもたちに、この気持ちが届くようにと強く願いました。
文責・写真:スタッフりんちゃん NPO法人ころあい自然楽校
ころあい自然楽校 詳細
正式名称:
NPO法人 ころあい自然楽校(しぜんがっこうと読みます)
住所:
加古郡稲美町加古
URL:
ホームページ https://www.koroaishizen.com/
BLOG http://koroai.blog.fc2.com
FB https://www.facebook.com/koroai
instagram https://www.instagram.com/koroaishizengakkou/