かきくけコラム :「くらしとしごと」vol.15

毎週、てくてくひめじ界隈で得意な分野を持つ方々にコラムを書いていただくコーナー「かきくけコラム」。

かきくけコラム
みんなの「かきくけコラム」

不定期第3週目のコラム「くらしとしごと」。書いてくださるのは、神河町長谷でコワーキングスペースkajiyanoを運営する山口なおさんです。

第15回 「くらしとしごと リターンズ」オンライン開催(山口 奈央)

コワーキングスペースは正式に一度クローズし、会社の「オープンなオフィス」として再スタート。9月に誕生した長男の成長に応じて、日々の過ごし方が変化しています。今回は初の試み!オンラインでイベントを開催してみました。

オンライン開催をやることになったきっかけ

このブログのタイトルにもなっているトークイベント「くらしとしごと」。
わたしたちが「今、この人にお話を聴きたい!」と思う人をゲストにお招きし、月1ペースで開催していましたが、2020年2月のコロナ禍の入口でスペースをクローズしたことで必然的にイベントも休止。わいわいとした人の往来がなくなり寂しくなりましたが、その後出産・育児もあり、日々の生活でいっぱいいっぱいでした。

息子は生後10ヶ月。ハイハイやつかまり立ちが始まり、目が離せないところもありつつ、一人遊びもできるようになり、母としても少しだけ落ち着いてきたところも。そんな中だったこともあり、今回のイベントをやってみようと思ったきっかけがいくつかありました。

きっかけ1
夫が久々に自社HPをチェックしようとしていたところ、問題を発見!
「ぐ、Googleマップのカジヤノの情報が大半消えてる〜!!」

業態変更は届けていたはずですが、登録してあった写真は全消去、皆さんからのコメントは残っているもののなぜか返信だけが消えている、という悲惨な状況。

再登録とあわせて、コメントを読み込み直しながら1件ずつ返信。気づけばたくさんの人が足を運んでくださり、会話を楽しんだりこの場所に価値を感じてもらったりしていたんだなぁとしみじみ当時を思い返しました。

きっかけ2
兵庫県の2050年のビジョン構想について、私たちにヒアリングしたいと県民局の方からのご連絡。

「今はコワーキングの営業もしておらず、淡々と仕事をしている感じなので・・・」と一度辞退したのですが「それでも良いです、営業していたときのことや振り返って今考えることなどを聞かせていただけたら」とのことだったのでお受けしました。当日は県職員さんも来られ、ここでやってきたことを時系列でお話していったところ「今後のビジョンのいろんな分野に関わってくることをされておられますね」「確かに・・(笑)」というやりとりに。流れに任せて目の前を見てやってきたところがあったので、改めて振り返るとどこか自分ごとでないような感覚になりました。

ひとのお話をじっくり聴くことはあっても、逆に自分たちのことをこれだけ順序立ててお話する機会は久しぶり。アウトプットしたことで当時のことが整理され、またじんわりと思い返すことになりました。

きっかけ3
県のコワーキングスペース事業の新任の方から、運営状況ヒアリングのメール。「実はこんな状況で・・」とこれまた少し後ろ向きな返信をしたのですが、「運営していたときの状況でもOK」との回答。

調査票を提出したところ、ホームページやSNSの過去の発信もご覧いただいたようで「すごく温かみのある空間ですね」とメールの温度感が上昇。やりとりを経て「落ち着いたらぜひ一度訪問したいです!」とまで。客観的にみて、いろんな人が行き来して豊かに感じられる場所だったんだなと思うと、何か背中を押される気持ちになりました。

そんなことが重なって、子どものことも少し(だけ)は落ち着いたし、このタイミングで「くらしとしごと」を新しい形でやってみよう!と思うに至ったのでした。

過去ゲストの「今」が集結!リターンズ。

今回のコンセプトは、過去ゲストの「その後」のくらしとしごと。

コロナの影響で、やりたかったことがストップしてしまい、今また力を溜めている人。
逆に大きな変化がなくまたマイペースに暮らせていて幸せに感じるという人。
サラリーマンと2足のわらじを続けてきた活動がストップしたことで立ち止まって考える時間が生まれ、結婚(!)に至った人。
事業所縮小に伴う東京への転勤打診をきっかけに、思い切って転職をした人。

急な開催でしたが、久しぶりに過去ゲストの方と連絡をとってお話をしたり直接声を聞いたりすることができて、主体的に生きているゲストの皆さんのお話は魅力的で面白い!と改めて思いました。くらしとしごと初参加の視聴者(?)さんからは、「1日で、3年掛けて出会えるか出会えないかという貴重なご経験を持つ方々とお会いできた」と興奮気味の感想も。

当日参加できずご伝言だけという方もおられ残念に思っていたのですが、逆に全員集合していたら、個性豊かすぎるゲスト×ゲストでどんな状況になっていたのか、、終わってみた今想像できません(笑)

ひとりひとりのお話を聞いていくと、どれだけ「変わった人生」に見えてもその人にとっての自然な流れでそこに行き着いたのだということを知ります。ゲストの方たちの「くらしとしごと」を深く聴かせていただいた経験が、自分たちの学びになっていると実感もする機会になりました。

私たちの「くらしとしごと」の今。

息子との生活は、行動範囲も広がったことで振り回されもしつつ、いい意味で少し距離を持って接することができるようになって気持ちが楽になったところもあります。

会社の仕事は、ありがたいことに依頼やご相談が途切れることはなく、どうすればプロジェクトを前に進めて期待に応えられるか、楽しく頭を悩ませています。ひとりでは絶対にできない仕事。素晴らしいパフォーマンスを発揮してくださる各分野の協力会社さんとのコミュニケーションを大切にしながら、社内の業務については少しずつ人にお願いできることはしていくことが今の課題です。

久しぶりの小さな実験。これからも楽しみながら「くらしとしごと」を育てていけたらと思います。

文:山口なお
  @kajiyano
  @kajiyano/谷間の家さんきら
  https://kajiyano.ch/

あさのは商店

あさのは商店

姫路生まれ・姫路そだち。姫路→大阪→徳島→姫路。
肌の弱い自分が必要なものを近くで買えるとうれしいなーと、肌にやさしい日用品「あさのは商店」をしています。
趣味は、ウクレレ・縫い物・言葉の観察など。

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