毎週、てくてくひめじ界隈で得意な分野を持つ方々にコラムを書いていただくコーナー「かきくけコラム」。
1年に何度かある「第5週目」の水曜日にだけそっとていねいにつづられる、宮下ひろみさんの本についてのコラム「五週目のほんばこ」の19回目です。
19個めのほんばこ|『とん ことり』筒井頼子・さく、林明子・え(福音館書店)
みなさん、こんにちは!
春ですね。
今回ご紹介する絵本は
「とん ことり」
筒井頼子・さく
林明子・え
福音館書店
です。
かなえと両親は山のみえる町に引越してきたばかり。
おとうさんもおかあさんも荷物の整理に忙しく、かなえがひとりで遊んでいると
とん ことり
玄関で小さな音がします。
見に行くと郵便受けのしたに、すみれの花束が落ちていました。
次の日にも とん ことり
タンポポが3本
その次の日にはひらがなの短い手紙
そして また次の日
音が聞こえるとすぐにかなえは走って行きました。
入っていたのは折り紙のお人形
急いでドアを開けた向こうには、門から出て行こうとする女の子の姿がありました。
「あそびにいこう」
女の子は小さく言って、かなえと共に自転車で出かけます。
2人の笑顔の嬉しそうなこと!
人見知りのひどかった娘も園でだんだんと友だちができ、先生や友だちと、のびのび遊んでいる様子を話してくれるようになりました。
春休みになり久しぶりに長い時間娘と公園で過ごしています。
最初は人見知りしても、すぐに仲良くなって子ども同士で遊ぶ様子を見ていると、この一年の成長を感じます。
絵本の女の子たちと娘の笑顔が重なって見えました。
文:宮下ひろみ