毎週、てくてくひめじ界隈で得意な分野を持つ方々にコラムを書いていただくコーナー「かきくけコラム」。
「陽文庫-アキラブンコ」のみずいけさんと、ブックカフェ・トキシラズの山本さんがかわりばんこにつづる、本にまつわるコラム「ブックブック こんにちは」、71回目は陽文庫みずいけさんです。
71のブック
『しあわせをさがしているきみに』エヴァ・イーランド、いとうひろみ・訳 ほるぷ出版
『しあわせをさがしているきみに』
発売日 : 2021/7/20
著者 : エヴァ・イーランド、いとうひろみ・訳
出版社 : ほるぷ出版
ページ数 : 25ページ
ISBN-10 : 4593101107
ISBN-13 : 978-4593101108
蛍光のピンク色をした、装丁が綺麗な絵本です。
翻訳は詩人の伊藤比呂美さん。
登場するキャラクターは“きみ”と“しあわせ”。
“しあわせ”はピンク色をした擬人化された発光体のような見た目で、さながらオバケのQ 太郎のようです。
かくれていたり、ときにはすぐそばにいてくれたり…大人になってもどこにあるのか見つけるのが難しい“しあわせ”をめぐる、“きみ”と“しあわせ”の物語が、数ページに渡って展開します。
きみはわかろうとして
あつめようとして
まもろうとして
つかまえようとして
でもしあわせはきままにしているほうがすきなのかもね
いきをすって
いきをはいて
ほら
おちついた
いまきみはきづく
しあわせはさがしつづけなくてもいいんだ
ページ数も20ページほどで、物語はすぐに終わってしまいますが、まさにゆりかごから墓場まで(表現が悪いですね)、子どもから大人まで楽しめる本だと思います。
エヴァ・イーランドさんの前作品である『かなしみがやってきたらきみは』も、とても良いです。併せて読んでみてもと思います。
“しあわせ”を、ぎゅっと抱きしめながら眠る“きみ”の姿が何とも愛らしい。(最後の言葉が良いです。)
夜、寝る前に読むと、穏やかに眠れそうな気がする絵本です。
おわり
文:みずいけあきら(陽文庫)
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