かきくけコラム :「大人にも響く子どもの本 」37


毎週、てくてくひめじ界隈で得意な分野を持つ方々にコラムを書いていただくコーナー「かきくけコラム」。

小さなころから本好きで、常に本を持ち歩く子供だったという姫路在住のイラストレーター、赤松かおりさんによる、大人になってからこそ読みたい子供の本、「大人にも響く子どもの本」はじまりますー。

第37の発見 安心して眠りたい人へ:『しきぶとんさん かけぶとんさん まくらさん』2010

 

6月は『るきさん』などでも有名な漫画家、高野文子さんのおやすみなさいの絵本をご紹介します。

<あらすじ>
夜眠りにつく前、男の子はぐっすり眠れますように、と寝具たちにお願いをします。
寝具たちも、男の子をあたたかく包みこんでくれるのでした。

<心に響く言葉>

しきぶとんさん
かけぶとんさん
まくらさん
あさまでよろしくおねがいします
あれこれいろいろたのみます

―『しきぶとんさん かけぶとんさん まくらさん』p1-2、高野文子 作・絵 2010、福音館書店

小さなころって、夜眠るのがとても怖かったときがあったな、と思い出します。
そんなときは、「家族や友達、好きなキャラクターに囲まれている」という
イメージを頭の中に抱いて対抗していたのをよく覚えています。
みんなに「包みこまれる」イメージです。
この絵本でも、一人の男の子が、眠る前、自分を包み込む家具にお祈りをします。
心配事が起こらないように。おもらしをしませんように。手足が冷えませんように。
怖い夢を見ませんように。

使わない日はない寝具。こんなふうにおふとんたちが全力で、寝てる私たちを守ってくれていると思ったら、
疲れすぎて眠れない夜も、心も体も癒されて、安心して眠れそうです。


文責:赤松かおり
てくてくひめじ関連記事:
キーワード「赤松かおり」

赤松 かおり

赤松 かおり

本とお散歩と食べることが大好きなイラストレーターです。webやフリーペーパーなどで、イラストを描いております。

おすすめの記事