かきくけコラム :「ブックブック こんにちは」73

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毎週、てくてくひめじ界隈で得意な分野を持つ方々にコラムを書いていただくコーナー「かきくけコラム」。

「陽文庫-アキラブンコ」のみずいけさんと、ブックカフェ・トキシラズの山本さんがかわりばんこにつづる、本にまつわるコラム「ブックブック こんにちは」、73回目は陽文庫みずいけさんです。

73のブック

『しあわせ節電』鈴木孝夫 文藝春秋

『しあわせ節電』
発売日 ‏ : ‎ 2011/6/10
著者 : 鈴木孝夫
出版社 ‏ : ‎ 文藝春秋
ページ数 ‏ : ‎ 125ページ
ISBN-10 ‏ : ‎ 4163743200
ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4163743202

約半年前にもこちらの著者の方の本を紹介させてもらいました。今回は第2弾!(前回は「人にはどれだけの物が必要か」)

…というか、本棚を見ていたら、今年の夏にピッタリなタイトルだったので、選ばせて頂きました(2011年出版の本ですが)。その名も『しあわせ節電』。

全身節電人間として84年間生きてきた、言語学者の鈴木孝夫氏による、またしても「節電・節約」の本です。(「しあわせ節電」は「人には…」から17年後の出版となっております)

鈴木氏は
「最小の物資、最小のエネルギー消費で最大の幸福をつかもう」を合言葉に、
●新しいものをなるべく買わない、古いものを捨てずに大切に使う
●他人様が出すゴミや不用品は、道端から遠慮なく拾ってきて使う。
●ゴミは最小限しか出さない
というライフスタイルを提唱してきました。

個人的には
●最先端の情報を知っている、また保有しているのがカッコいい(新しいものが、必ずしも良いものとは限らないのでは…)
●モデルチェンジ(正直あまり変わってないよね…)
などというのも、あまり好きではありません。このあたりはなんとなく鈴木氏と同じような気がしております。

節電や節約、物を大事に使うと聞くと、貧乏ったらしい気持ちになるから嫌だ!と言われそうです。しかし、人に強制されないで、自分で高くて苦しいハードルを決めて、それを越すことを楽しむことは、氏曰く、いわば貴族の楽しみのようなものだといいます。

ちなみに節電に関していうと、うちの月の電気代は約1500円で、コンロと給湯器がガスだから、そのぶん安いというのもあると思うのですが、大きくこれ以上節電できそうなところはなさそうです。

節約の中では、氏の「エンピツは学内で拾う」というエピソードが私の大好物です。

自分に置き換えると…
クリアファイルとクリップや付箋は必ずどこかにあるので、買う必要なし!という感じですね。

と、最近よく実家の自分の部屋を整理するのですが、モノが次から次へと出てきます。

出てきたものを挙げると
●こない何を書きまんのん…というくらい大量の未使用ノート
●男4人で映っているプリクラ(うぅ気持ち悪い…)
●現金(25000円)
●あげる前に(というか内容を伝えたら、異性に「そのプレゼントはないわ!」と言われて、行き場のなくなったラッピングされたままのプレゼント
●ズボン30本くらい
●Tシャツ50枚ほど(あと何回夏を過ごす気なのか)ちなみにオーバーオールもホンジャマカ石塚か!というくらいある。
●履歴書(ないと思い込んでるからか必要な度に買っている気がする)
●デザインが気に入って買ってしまった、大量のポチ袋(お年玉渡す相手2人しかいないのに、めっちゃある)
●多量のネクタイ(ほとんどスーツ着ませんやん…)
●美術館のチラシやイベントのチラシ(なんとなく捨てられない)

美術館のチラシについていうと、片付けついでに古本をゴソゴソしていると、講演会のチラシを折り込んで、ブックカバーにしている本が出てきました。しかもそれは雨宮処凜さんの講演会のチラシで、ゴスロリファッションの雨宮さんが本の正面にきているという…瞬間、「ああ、あの人から買い取った本だった!」と思いましたが、良いアイデアだなと。ブックカバーをかけると何の本かわからず、次第にその本の存在を忘れていってしまうという欠点がありますが、また試してみようと思います。

使用可能なものから、取扱に困るものまでまさに玉石混淆でしたが、改めて、物はめっちゃあるな、と。特に洋服は一生分くらいあるのでは…と。

まずは手元にあるものから、順次使っていかねばなと思いました。

地救人(「球」ではない)としての矜持で、鈴木氏は周囲からガラクタと呼ばれるようなものでも修理し、使い続けてきました。直したもの、ずっと使っているものがどれだけ持つのかワクワクしてたまらなかったという鈴木氏。

この夏、反社会的ではなく反世間的な価値観をお持ちの方に、おすすめの一冊かなと思います。

おわり

文:みずいけあきら(陽文庫)
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あさのは商店

あさのは商店

姫路生まれ・姫路そだち。姫路→大阪→徳島→姫路。
肌の弱い自分が必要なものを近くで買えるとうれしいなーと、肌にやさしい日用品「あさのは商店」をしています。
趣味は、ウクレレ・縫い物・言葉の観察など。

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