毎週、てくてくひめじ界隈で得意な分野を持つ方々にコラムを書いていただくコーナー「かきくけコラム」。
1年に何度かある「第5週目」の水曜日にだけそっとていねいにつづられる、宮下ひろみさんの本についてのコラム「五週目のほんばこ」の18回目です。
18個めのほんばこ|『クリスマスにはくつしたをおわすれなく』角野栄子・さく、菊池恭子・え(福音館書店)
みなさん、こんにちは。
いよいよ明日から12月!強い寒波がやってくるということでドキドキしています。
今回ご紹介するのは
「クリスマスにはくつしたをおわすれなく」
角野栄子・さく
菊池恭子・え
福音館書店1981
です。
ナナさんは編みもの屋さんで、いつも歌をうたいながら編みものをしています。
ちくちく あみあみ おひさま
あみこめちくちく あみあみ ぽかぽか
あみこめできたら のびのび つかれたら
なわとびなおったら ちくちく ちくちく
あみあみ
かわいい歌でしょう?
おひさまのポカポカ陽気が編み込まれたセーターやマフラーを思うと気持ちまで暖かくなります。
さて、冬になるとナナさんはお店の前にこんな看板を出します。
『クリスマスには くつしたを おわすれなく』
すると、「すてきなくつしたをおねがい」って森からも、海からも、町からもたくさんの注文がきました。
ナナさんは全てのくつしたを編み上げて、自分の分も急いで仕上げて、
ようやく大きくのびのびして、なわとびをひとつ跳びました。そのとき
トントントン
だれかが戸をたたきました。
やってきたのは小さな女の子。
ナナさんに編んでもらったくつしたが小さすぎるというのです。
女の子がサンタクロースにお願いしたのは、なんと、ぞうのあかちゃん!
ナナさんは大急ぎで新しいくつしたを編みはじめました。
完成した大きなくつしたをかついで帰った女の子。
さぁ、サンタさんはぞうのあかちゃんをプレゼントしてくれたのでしょうか?
結末は実際に読んでいただきたいので書きませんが、なんともかわいらしいお話で、クリスマスにおすすめです。
文:宮下ひろみ