かきくけコラム :「大人にも響く子どもの本 」42


毎週、てくてくひめじ界隈で得意な分野を持つ方々にコラムを書いていただくコーナー「かきくけコラム」。

小さなころから本好きで、常に本を持ち歩く子供だったという姫路在住のイラストレーター、赤松かおりさんによる、大人になってからこそ読みたい子供の本、「大人にも響く子どもの本」はじまりますー。

第42の発見 人生遠回りしちゃったと思う人へ:『しごとへの道1』2023

しごとへの道

 

人生遠回りしちゃったと思う人に読んでほしい本をご紹介します。

<あらすじ>
「パン職人」「新幹線運転手」「研究者」の方々へ著者の鈴木のりたけさんがインタビューして、
子ども時代から現在まで、その人が自分のしごとを見つけるまでの三者三様の物語を
マンガ仕立てで紹介しています。

<心に響く言葉>

わたしは、パンが好き。母がパンで私を幸せにしてくれたように
わたしもパンで、人を幸せにしたい。
―『しごとへの道1』p20、鈴木のりたけ 2023、ブロンズ新社

著者の鈴木のりたけさん自身も、絵本作家になる前、新幹線の運転士をやめ、グラフィックデザインの仕事をしているうち、アクリル絵の具の存在を画材屋さんで知って深夜自宅で描き続けた結果、伝えたいことを分かりやすくするために連作にしテキストをつけるようになり、たどりついた答えが絵本だったそう。

この本に登場する人たちにはネットで調べて電話して、飛び込みで取材に応じてもらったそうです。
3~4時間かけて話を聞き、写真を見たり、幼少期を過ごした土地に足を運んで物語にしていったとのこと。

登場する皆さんも、鈴木のりたけさん自身も、天職に思える今の仕事を小さいころからめざしていたのかと思いきや、さまざまな職業に就かれていたり、挫折を経験されたりしています。

この本は「しごとへの道」もひとつではないこと、やりたい仕事につくまでにたとえ遠回りしちゃったとしても、その分いろんな経験をして広い視野を持てたり、人とのつながりができたりして「最短ル-ト」より大切なことがあることを気づかせてくれます。

しごとへの道
文責:赤松かおり
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赤松 かおり

赤松 かおり

本とお散歩と食べることが大好きなイラストレーターです。webやフリーペーパーなどで、イラストを描いております。

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