毎週、てくてくひめじ界隈で得意な分野を持つ方々にコラムを書いていただくコーナー「かきくけコラム」。
小さなころから本好きで、常に本を持ち歩く子供だったという姫路在住のイラストレーター、赤松かおりさんによる、大人になってからこそ読みたい子供の本、「大人にも響く子どもの本」はじまりますー。
第44の発見:ゴーリーのバレエ愛を知りたい人へ:「薄紫のレオタード」2023
5月はエドワード・ゴーリーが描いたバレエの絵本をご紹介します。
<あらすじ>
陰鬱で不穏な作品が多いゴーリー作品のなかではわりとほっこりする(でも皮肉っぽさは健在)の絵本。ゴーリーのバレエ愛がつまっています。
ゴーリーが架空の姪っ子と甥っ子とともに、ニューヨーク・シティ・バレエ団を訪問し、ダンサー達と交流します。
<心に響く言葉>
「ほかのカンパニーは、バレエをやるだけ。あたしたちはね、踊るのよ。」
―『薄紫のレオタード』p29、エドワード・ゴーリー 2023、河出書房新社
舞台美術や衣装にも興味を抱いていたゴーリーは、20代後半になるとニューヨーク・シティ・バレエ団の公演に通い詰めるほど、バレエ好きでした。
バレエ雑誌の表紙や、バレエ団のロゴやグッズのデザインも担当しています。
この絵本ではニューヨーク・シティ・バレエの演目や衣装へ姪っ子や甥っ子がいっぱしの通のように鋭く突っ込みをしています。ちなみにタイトルの「薄紫のレオタード」とは、バレエ団設立当初予算が乏しくて、どういう作品にも使いまわせるからという理由で薄紫の衣装を使っていたからだそう。
この本と一緒に、でてくるバレエ作品を見てみると2倍楽しめるかもしれません。
文責:赤松かおり
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