毎週、てくてくひめじ界隈で得意な分野を持つ方々にコラムを書いていただくコーナー「かきくけコラム」。
「陽文庫-アキラブンコ」のみずいけさんと、ブックカフェ・トキシラズの山本さんがかわりばんこにつづる、本にまつわるコラム「ブックブック こんにちは」、11回目はトキシラズ山本さんです。
付箋
みなさんこんにちは。トキシラズの山本です。みなさんに今日ご紹介したいには、こちら!
わかりましょうか、そう、付箋です!貼って・はがして・書き込んで。とっても便利です。
きになるところに貼っておいて、後で読み返す。打ち合わせの時には重要なページに貼っておいて、すぐにそのページを開けるようにしておく。
紙をつかう社会においては切っても切れない、いや、貼ったら剥がせない!付箋とはそんな存在といえるでしょう。
とはいうものの、上記の利用法は世間一般、広く知られているものです。そこに私は付箋利用法の新たなる地平を開く、画期的利用法を閃いたのです。今回はそれをご紹介します。
登場人物表というものがあります。海外小説には大抵付いていますし、国内の作品でも登場人物が多いと混乱してしまうため、「わからなくなったら見てね」という出版社の心遣いページです。
しかし、これを開くのは正直邪魔くさいとお思いの方は多いはずです。例えばこんな具合。
「えーっとこの人誰だっけ?」読んでいるところにしおりを挟みページを戻って、登場人物紹介を開き、「そうだそうだ、主人公の母親だ」
続きを読み始めてしばらくすると「ん?これは誰だっけ?」しおりを使うのが面倒なので読んでいるページに指を突っ込んで、初めの方に戻るもそうすると今度は、ページが開きづらく登場人物紹介が開かない。
やっとの思いで確認。「はいはい、主人公の友達ね」続きを読み始めるもまたもや不明人物「もういいや、読んでるうちに思い出すだろ」とよくわからないまま続きを読み始めるも、混乱してきて結局読み直す。
こんな経験をみなさんお持ちのはず。(経験があるという前提で話を続けます)人の名前って意外と頭に残らないものです。
そこでこの付箋を、本を持つ時に右手の親指が来るあたりに貼っておきます。よくわからない人物が出てきたら、読みかけのページに左手の親指を入れて、右手で付箋をおさえ本を閉じようとすると、一発で登場人物紹介!確認したらすぐに内容に戻れる!これでもう登場人物が多い、覚えられない、と諦めていた小説も恐るるに足りません。
11のブック
『催眠』ラーシュ・ケプレル
ちなみに、写真の本は、ラーシュ・ケプレル著『催眠』、スウェーデンのサスペンス小説です。
そして、ヨーナ・リンナ、ケネット・ストレング、エリック・マリア・バルクなど北欧どくとくの馴染みのない名前が満載。しかし、付箋一枚あれば、ばっちり解決します。次々に現れる癖のある容疑者たちの中で、いったい誰が何の犯人なのか、付箋と一緒に追い詰めましょう。
『催眠』(上)(下)
発売日: 2010年7月
著者: ラーシュ・ケプレル・著、ヘレンハメル美穂・訳
出版社: 早川書房
サイズ: 文庫本
ページ数: (上)463ページ、(下)453ページ
ISBN: (上)4151788514、(下)4151788522
文:山本岳史(トキシラズ)
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