毎週、てくてくひめじ界隈で得意な分野を持つ方々にコラムを書いていただくコーナー「かきくけコラム」。
「陽文庫-アキラブンコ」のみずいけさんと、ブックカフェ・トキシラズの山本さんがかわりばんこにつづる、本にまつわるコラム「ブックブック こんにちは」、24回目は陽文庫みずいけさんです。
24のブック
「すこし低い孤高」ラショウ、香山哲
今回は、「すこし低い孤高」(ドグマ出版、ラショウ・香山哲 著)を取り上げたいと思います。
といってもこの本はまだ出版されたばかりで、陽文庫はまだきちんと読んでいません。が、ウェブ上で先行して1章と2章だけ読むことが出来て、大変興味深い本だなぁと思ったので、全部読んでないし、内容も理解不足で恐れ多いのですが今回取り上げることにしました。(なのでちょっと誤解してるところや勘違いして理解しているところがあるかもです!)
僕が読んだ1章と2章は、著者のひとり、香山哲さんがこちらにアップされています。
そして僕はまだ本を買っておらず、表紙の写真を撮れなかったので、イメージ画像でお届けします。
発売: 2018年
著者: ラショウ、香山哲
出版社: ドグマ出版
サイズ: B6
ページ数: 152ページ
ISBN: –
本文は、ラショウさんと香山哲さんの対話方式で構成されています。ラショウさんはファミコンの「ボコスカウォーズ」の作者であり、現代美術家、仮面舞踏家などもされている方で、香山哲さんは漫画家、イラストレーターやゲームクリエイター、ライターとして活躍されている方です。
クリエイターやアーティスト?としてやっていく難しさ、要求されることとの折り合いのつけ方、社会での生きづらさなどについても触れています。
本の紹介として、次のように書かれています。
どう専門を選ぶのか、どうやって食べていくのか、何を重んじて生きていくのか、具体的にどんな戦略を立てていくのか…
他人との優劣を気にせず自分のオリジナリティを育て、「低い孤高」に立つ。そうしたら自分のことに集中できるし、楽しくお互いを尊重できるんじゃないか?そんなヒントを散りばめた往復書簡。
「生きづらさ」って何?と思う人にはおそらく全く用事のない本ですが、求人広告などで「我が社にはフットサル部があります!」「週末は社員みんなでBBQ!」という文面を見ただけで、気持ちが怯んでしまう方にはフムフムなるほど〜と思える箇所が多い本じゃないかなと思います。
あとは居酒屋甲子園的なものが苦手、携帯ショップに行くのが苦手、カーディーラーの雰囲気が苦手(いやこの3つは僕が苦手なだけなんですが)な人にもちょっとしっくりくる本かもしれません。
しかしながら陽文庫、実は学生時代に前人未踏?のアルバイト面接8連敗という記録(内訳はうどん屋、ラーメン屋、ラウンドワン、牛角、サークルK、パチンコ屋、あと2つは忘れましたがとにかく8連敗!)を持ち、最後その記録にストップをかけたのが「サッカー経験者求ム!」と求人チラシにも書かれていた、職場内で社会人サッカーチームを持つサンクスのとある店舗だということを思い出しました…。「社内フットサル部あります!」的なものにガッツリ乗っかかりお世話になっていたとは…。(陽文庫はサッカー経験者でしたので面接に受かりました)
気になるフレーズ
「自分の非標準さ」
「日本式義務教育で作られる勤勉な労働者」
「血液型占い芸能人、野球サッカーこの辺りの話をするのは本当辛い」
などなど、気になるフレーズもたくさん出てくるのですが、本書ではラショウさん香山さんの苦労話も織り交ぜながら対話形式で、「とても高い孤高」ではなく、自分の中で「すこし低い孤高」を保ちつつ、どう生きていったら良いのかを語っています。
読みどころが多い本で、読書についてもいいことが書かれていました。
どんなに経験や知識が不足してる人でも、本ならいつでも丁寧に相手をしてくれます。凡人では絶対に知り合えないような、とんでもない思考や経験を持った人とでも、文章を読む形なら長時間深い対話をしてもらえる。いつまでも待ってくれてる。
自分の、友人がいなくて心寂しく、本を読むことくらいしかなかった時代を思い出す文章でした。
自費出版(?)のような本なので、なかなか手に取る機会が少なそうな本ですが、ウェブからは購入可能かと思いますので気になる方は是非アクセスしてみてください。
おわり
文:みずいけあきら(陽文庫)
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