かきくけコラム :「大人にも響く子どもの本 」25


毎週、てくてくひめじ界隈で得意な分野を持つ方々にコラムを書いていただくコーナー「かきくけコラム」。

小さなころから本好きで、常に本を持ち歩く子供だったという姫路在住のイラストレーター、赤松かおりさんによる、大人になってからこそ読みたい子供の本、「大人にも響く子どもの本」はじまりますー。

第25の発見 不安になっている人へ:『くうき』2011

3月にご紹介するのは、「ぞうさん」で有名なまど・みちおさんの詩の絵本です。

<心に響く言葉>

ぼくの胸の中に
いま入ってきたのは
いままで ママの胸の中にいたくうき
そしてぼくが いま吐いたくうきは
もう パパの胸の中に 入っていく
おなじ家に すんで おれば
いや おなじ国に すんでおれば
いやいや おなじ地球に すんでおれば
いつかは おなじくうきが いれかわるのだ
ありとあらゆる いきものの 胸のなかを

――― P1-10『くうき』まど・みちお、 理論社、2011

2011年に書かれた詩ですが、まだまだコロナ禍のいま読むとハッとする詩です。

物に触らないように、人と会わないように、とピリピリ気を張っている日々ですが、
人間も生き物で、ほかの生き物とのつながりのなか生きていて、関わらずに生きて行くことはできません。

まどさんの詩は、世界中の空気はつながっている、私たちもつながっている、と当たり前の事をあえて言ってくれています。

地球単位の大きな視点から言ってもらえることで、不安な気持ちになっている私たちに、ゆったりとした安心感を与えてくれる絵本です。


文責:赤松かおり
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赤松 かおり

本とお散歩と食べることが大好きなイラストレーターです。webやフリーペーパーなどで、イラストを描いております。

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