かきくけコラム :「ブックブック こんにちは」21


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毎週、てくてくひめじ界隈で得意な分野を持つ方々にコラムを書いていただくコーナー「かきくけコラム」。

「陽文庫-アキラブンコ」のみずいけさんと、ブックカフェ・トキシラズの山本さんがかわりばんこにつづる、本にまつわるコラム「ブックブック こんにちは」、21回目はトキシラズ山本さんです。

イチョウ並木の本まつり

あんまり楽しかったので、先々月の話ですがさせてください。10月の27、28日「岡山ブッククルーズ」というところが主催の『イチョウ並木の本まつり』というイベントに出店してきました。

岡山県の本屋さんを中心に、香川や兵庫、京都の本屋さんが岡山大学内のJテラスカフェというところに集まり、本の販売や、トークベントで盛り上がろう!というイベント。

トキシラズはこれまで、いろんなイベントに参加してきましたが、純粋に本のイベントというのはじつは初めて。当日を迎えるまでの緊張感たるや、胃を絞られるような思いでした。

「本のイベントに本屋として出るんなら普通じゃん、いつもの出店より気楽なんじゃないの?」と思ったそこのあなた、違うんですよ。異端の気安さというものがありまして、毛色の違う出店者だから、多少ズレてても「こんなもんなんですよー」という言い訳が立つ(ような気がする)。

例えば、全員スーツ姿の職場に一人だけアロハシャツだったら目立ちます。けれども、そのアロハの柄は、もはや誰も気にしないでしょう。しかし、みんなと同じようにスーツなのにシャツの柄だけキ○ィちゃんだったら?、あの人のセンスやばくない?と給湯室で囁かれること必定です。

要するに、本のセレクトがイマイチだったらどうしよう、そんなことばかり気にしていたわけですね。

しかし、そんな心配は杞憂の中の杞憂。フレンドリーな空気に溢れた二日間でした。まさかの台風接近中というのも、場の結束に一役買ったのかもしれません。危機感は場を一つにします。

いろいろありましたが、特に印象的な出来事が一つ。

イベントの始まる前に短いミーティングがあって、主催者の451ブックスの根木さんが「ぜひ、お客さんと話してほしい」とおっしゃっていました。私はこれまで本は自分で選ぶものだ、という思いが強く、できるだけ選ぶのを邪魔しないよう心がけてきました。それも別にいいし、最終的には自分で選ぶものだと思います。しかし、ふと、ミーティングの話を思い出し、一人の男性に話しかけました。彼は天然酵母のパン作りの本を真剣に見ていました。「パン作りするんですか」ときくと、お菓子は作る事、パンは興味あるけど作ったこたはない。というので私もお菓子を作っていて、天然酵母パンは作ってみたけど失敗も多かった、とは言え、売っている酵母なら失敗も少ないはず、というような事を少し話しました。彼は結局「作ってみます」とその本を買って行きました。

本が売れた事よりも、話をしたことで彼がその本を開いてパンを作る、その後押しができたような気がして嬉しかった。とても愉快な気分で、本はすごいなぁと感じたのです。ちなみに台風は進路がずれて、ときおり晴れ間も見える天気でした。

文:山本岳史(トキシラズ)
ブログ ブックカフェ・トキシラズ

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公開日 : 2017-12-13
最新更新日 : 2017-12-13

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